六月二十九日　
　飲笑

　飲んだ
　おいしいものを食べて、いろんな話をして、笑った
　世界がすべて、こうならいい

六月二十八日　
　自他

　最近大人気ない
　まだまだ修行が足りない
　もっともっと、広く、深く、見たい

六月二十七日　
　常日

　アトリエの前で工事
　休憩時間になって、気づいたことがある
　この辺りは、なんとも静かでいいところだ

六月二十六日　
　雲連

　灰色の濃淡が空に広がる
　見上げるそこに、平原がある
　梅雨空

六月二十三日　
　色水

　雨だれがはじける
　水がいろんな色を映しながら、四方へと飛ぶ
　きれいな水

六月二十二日　
　演奏

　今日の雨はとすとすと降っている
　日ごとに違う音で雨が降る
　雨の音、雨の音

六月二十一日　
　遊泳

　しのしのと雨が降る
　空気もしとりとしている
　きっと何かが泳いでる

六月二十日　
　満喫

　一泊二日の新婚旅行に行ってきた
　ブルーベリーを食べて、滝を見て、温泉に入って、しりとりしながら散歩して、料理を食べて、蛍を見て、寝た
　楽しかった

六月十七日　
　請雨

　雨が少ない
　おいでおいで、こっちにも水があるよ
　空を見ながら、呼んでみる

六月十三日　
　寝時

　晴れ
　太陽の光が圧力を持って振ってくる
　きゅ〜、って平べったくなって、昼寝でもしたいなぁ

　明日明後日、名古屋です

六月十一日　
　時刻

　車が帰ってくる
　前と変わったのは、ナンバーにちょいとついた傷くらい
　歴史のひとつが、そこにある

六月十日　
　知欲

　知るという事
　いろんな事を知りたがる、それだけ多くの事が、この世の中にある
　自分が知りたい事がきっとある、自分の中に

六月九日　
　見時

　昨日は一日だらだら過ごした
　時間が、ぐいぃ、と引き伸ばされていった
　そういう時も必要だ、自分の進む道を、見直せる

六月七日　
　接近

　自分の近くにあるものは、自分に近づいていく
　きっと自分も、いろんなものに近づいているのだろう
　素敵なものの近くで、生きていきたい

六月六日　
　何表

　車の事故にあう
　部品の交換で何とかなるくらい
　きっとこれにも、意味がある

　彦根、いけなくなりました、すみません 　

六月五日　
　探求

　人はきっと何かしらに愛されている
　それを才能と呼ぶのだろう
　愛されるためにも、掘り下げ、研ぎ澄まそう

六月四日　
　甘味

　枇杷がなっていた
　ほわりとした黄色、やわらかい涙型
　中にはきっと、甘さが螺旋になっている

六月三日　
　挨拶

　山女の踊り揚げを食べた
　骨も、頭も、さくりと食べた
　命を、いただきます