川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

十二月二十八 
 火水

 たくさんの鴨が水の上をばたばたと羽ばたきまわっていた
 なんとも季節外れの花火のよう
 それとも季節に合わせて花水か

 今年の日記はここまでです、よいお年を〜

十二月二十七 
 自造

 隣の家が掃除中
 人が作り出した行事が、一年という形のないものに彩をあたえている
 人が、人としているから、ここがある

十二月二十五 
 足跡

 かえでの跡がアスファルトに点々と
 まるで誰かが歩いた跡のよう
 駆け回り、跳ねる、子供のように

 個展終了しました、ありがとうございました〜

十二月二十四日 
 円形

 作品がもらわれていく
 きっとその人との縁があったんだと思う
 ここ数日、縁、縁

十二月二十三日 
 変化

 人の意思は、体を変える
 体を変えて、体からもれていく
 次は何を変えるのか

十二月二十二日 
 径長

 思考は体の衛星のように
 ぐるぐると頭の周りを回っている
 もっと遠くに、もっと遠くに

十二月二十一日 
 発展

 いろんな人と話す
 自分の未熟さを知る
 きっと一生そうなのだろうと思うと、妙に誇らしく、心地よい

十二月二十 
 弱点

 去年も来てくれた人が見に来てくれる
 でも、覚えていなかったりする
 なんとも、まぁ、はぁ

十二月十九日 
 立体

 遠くに目を凝らす
 道の先の電線の絡みが見える
 奥深い、世界

 今日から個展です

十二月十七日 
 極立

 暖房がなくても、窓辺にいると、ほ、と暖かくなってくる
 日の光の力
 ほんとうにたんじゅんなことかもしれない、でも、幸せだ

十二月十六日 
 一片

 冬の川に鷺を見る
 暗い川底、暗い水に、ぽとり、と白い色が落ちていた
 目に映える、ひらりと

十二月十五日 
 降雪

 空が冬の色
 淡い淡い色
 まるで、そこに雪が積もっているかのように、やわらかい

十二月十四日 
 

 高速道路から夜景を見る
 ころり、きらり、と転がる町の明かりと、地面近くにある、下弦の月
 赤い月、地の光の上を、さらり、と滑る

十二月十二日
 発熱

 住まいとアトリエでは、ずいぶんと温度が違う
 どちらも暖房器具といったほどのものはない
 ヒト二人分の熱量、それで十分暖かい

十二月十一日 
 部分

 年が暮れる
 そんな感覚が強くなる
 自分もこの社会を形成している一部なんだな、と再確認

十二月五日 
 紅葉

 寒くなる
 体が思うように動かない、夏が暑かったからか
 もみじは寒暖の差できれいに赤くなるという、人はどうか

  明日から横浜いってきます

十二月三日 
 心入

 車の渋滞中
 信号のないわき道から順々に出てくる車を、みんなが一台づつ入れていく
 なんだか暖かい感じがした

十二月二日 
 横断

 おばあちゃんが三人、信号の変わった横断歩道を渡っていた
 自転車を押して、かつっと
 もう一人いれば、ビートルズ

十二月一日 
 照射

 師走
 坊さまも走るくらいの忙しい月
 でも今日は、走ると暑いくらいの陽気、さてはて

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