川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

十一月三十日 
 同属

 のれんをくぐると、つられて頭の手ぬぐいがするりと後ろに落ちる
 布は布同士、仲良しなのかもしれない

十一月二十九日 
 変流

 静岡はのっぺりと暖かい
 気候が変わっていっているのだろう、それもまた時の流れだ
 無くしてはいけないものがある、しかし、固執してはもっといけない

十一月二十八日 
 駆兎

 個展の準備を本格始動
 決行遠くから来てくれる人も多いので、ここだけ、のものをつくろうと画策中
 あんまりたくさんつくれないかも・・・、と不安もありつつ、・・・ま、いっか

十一月二十七日 
 自律

 最近お腹に肉が付いたので、猫背になりがち
 なんとも後ろ向きなので、お腹を突き出すように歩くことにした
 目線があがる、なんだか少し、清々しい

十一月二十六日 
 自他

 自分がいて、他人がいて、自分がいる

十一月二十五日 
 階層

 ミルクレープの層を重ねるように、年月は薄く、薄くつもる
 毎年出しているイベントで、目当てに来てくれるヒトが増えてきた
 つもる、薄く、薄く

十一月二十四日 
 立場

 ゆっくりとペースが戻ってくる
 自分がどこにあるべきか、自分がどこにあるのか、そんなことがはっきりしてくる
 きっかけはいつもちょっとしたことで、結果はいつも大きく、力強い

十一月二十三日 
 晴転

 ぐたっとしていたので、がんばれや、と思って胸を張ってみた
 曇り空だった
 だけど少しだけ、心が晴れた

十一月二十二日 
 困憊

 なんともやる気が出ない
 ぐったり
 こまった

十一月二十一日 
 熱去

 夕焼けに筋雲が染まる
 緩やかにカーブを描くそれは、まるで連なる炎の翼のようだった
 羽ばたき去り、冬が近づく

十一月二十日 
 遠旅

 朝からちょいと出かける
 仕事とは関係ない、長距離の移動
 ただそれだけで、楽しい気がする

十一月十九日 
 生方

 人の生き方には理由があるかもしれないし、ないかもしれない
 人である限り、それはわからない
 ただわかるのは、自分のしたことで人がわらったり、ないたりすることだけ
 自分に理由なんかなくても、必要なんかなくてもいい
 ただ、わらっていてもらいたい

十一月十八日 
 一体

 なんとなくぼよんとする
 世界もそんなに強く主張してこない
 なんとなく、一体感

十一月十七日 
 世界

 寒くなっていく空は広い
 ぐううんと広がる空とこの陸地が同じ世界とは思えない
 そして大きく広がる海
 三つの世界、一つの世界

十一月十六日 
 新作

 個展用のお面をつくりはじめる
 うさぎ
 今回も、かわいいなぁ

十一月十五日 
 声音

 人の声という音が好きだ
 曲が流れても歌詞を聴いているわけではないが、人の声を一番聞いている
 自分と同じものを、無意識に好んでいるのかもしれない

十一月六日 
 潮香

 海辺で潮の匂いをかぐ
 その匂いはもう夏のものと違っていた
 冬が来る

 今夜から足助です

十一月三日 
 駆声

 高い電線で、黄色い鳥が、ひぅ、と鳴いていた
 秋晴れの空
 声が鳥となって、駆けていく

 今夜から蒲郡です

十一月二日 
 後祭

 近所の神社の林で、木々がざわんざわんと鳴り、鳥がぴちぱちと鳴いていた
 昨日はここで祭りがあった
 今日は何の祭りなのか

十一月一日 
 爆撃

 鳩の群れが、頭の上をぐるぐると旋回していた
 一斉に糞とかされたら、どうしよう

トップへ