川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

十二月二十九日 
 暮事

 日が暮れる、年が暮れる
 暮れるというのは終わるということではなく、区切りなのだと思った
 時は、延々と、続く

 今日で今年の日記は終わり、東京に向かう
 みなさん、よい明日を

十二月二十八日 
 月暦

 御坊さんが自転車で走っているのをみた
 師走

十二月二十七日 
 日常

 ラジオからの声は師走を訴える
 それでも窓から差し込む光は、常日頃のものとなんら変わりない
 自然にあるのは、平常の時
 窓からはいつもと変わらない日常が、差し込んでいた

十二月二十六日 
 双思

 時々、誰かを想像しながらうさぎを描いたりする
 そうすると、うさぎを思う気持ちと、その人への気持ちが混ざり合って、すこんといいこになる事がある
 作品とは心から生まれるのだな、と改めて思う時でも、ある

十二月二十五日 
 常愛

 のんびりと時を過ごす
 洗濯物、料理、整理整頓
 その合間にもつくる
 手ぬぐい、うさぎ、アクセサリ
 自分にとってすべてが生きることに繋がる、そのことはきっとすべて、いとしい

十二月二十四日 
 年賀

 自分用の年賀状の下絵は描いた
 が、まだ年賀状に印刷さえしていない
 多分また出すのは一月になってから、そしてほとんどが来た人に出す、といったカタチ
 ま、よし

 もし年賀状欲しいって人は、年賀状くださいな
 424-0901 静岡市清水区三保1688-2 まで

 今日のは日記じゃなくて、言い訳業務連絡だ

十二月二十三日 
 生望

 生きている、ということと、生きたい、ということの意味の違う事に気付いた
 それは自身と他者との認識をすることに似ていた
 また少し、世界が広がった

十二月二十二日 
 寒風

 暗くなってから外を歩く
 寒くて風の強い夜で、いろんな音が聞こえてくる
 風のごうごうという音、こずえのざわざわいう音、シャッターのかしゃかしゃいう音
 見上げると星さえも、きしきしと音を立てていた
 寒くて、風の強い、夜

十二月二十一日 
 渇眠

 早起きをする
 おかげで夕方からひどく眠い
 普段の生活は昼に起きて朝まで作成をする
 それにしても眠い、きっと動物園の夜行性の動物くらい、眠い

十二月二十日 
 幸界

 前々から思っていることだが、世界というのは半分自分が回していて、半分周りのいろいろなものが回しているんだと思う
 だから、幸せになりたいと思ったときには、その周りのものも巻き込んで幸せになると、より幸せになると思う
 みながそう思って生きていけたら、きっと世界は幸せだ

十二月十九日 
 冬風

 ごもごもと風が吹いているようだ
 冬になると風が強く吹く、その風には何かが乗っているような気がする
 年の暮れと年の初め、家々を覗いていく、八百万の神のような、妖怪のような
 師走や正月、人も神も物の怪も、忙しそうだ

十二月十八日 
 心地

 友達のライブに行く
 音楽のことはよくわからない、ただ、自分が心地よいかどうかだけだ
 彼らの音は心地よい、ほんのりと微笑が浮かぶ
 心地よいものに囲まれて生きるというのは、当たり前だが、心地よい

十二月十七日 
 燃命

 まだ、もみじが赤々と葉を茂らせていた
 夕日を浴びたそれは本当に燃え立つようで、見惚れずにはいられなかった
 冬が来る
 その前に、残った命を美しく、美しく、燃え立たせるかのように
 秋の色は、命の色だ

十二月十六日 
 輝命

 空に鳥の群れが飛んでいた
 日の光を受けるそれは、ぱ、ぱ、ぱ、とその色合いをフラッシュさせる
 命の動きのような光の輝き
 空を埋め尽くす、命

十二月十五日 
 空宙

 空が真っ青だった
 正面を見ると淡い青、見上げれば深い青
 真上に向かって指をまっすぐ天に指せば、そこは一番宇宙に近い空
 あの深い青は、宇宙と空が交じり合っている、色

十二月十四日 
 五感

 昼間、外の日差しは、かつん、と降ってきていた
 もしこの光景が映像だけだったら、夏の日といわれても疑わないだろう
 それでも、冬の風の音が聞こえ、寒さが肌をくすぐり、冬の空気の匂いと味がする
 五感で感じると、世界のその真実に近づくような気がする

十二月十三日 
 完成

 手ぬぐいにアイロンをかける
 ぱりり、とした手ぬぐいたちは気持ちよさそうに見えないこともない
 さてはて、誰に当たるやら
 お楽しみあれ

十二月十二日 
 種子

 横浜より帰る
 横浜といいいながら、前後には東京にて友達のグループ展を二つ見てきた
 それぞれの出展者がそれぞれの味を持っていた
 最近はこもりきりだったから、人の作品をみたことは、すごく刺激になった
 心に新しい種が、ぽとり、と落ちた

十二月九日 
 横浜

 今から横浜
 いってきます、いぇ〜

十二月八日 
 美生

 会社組織というものの中で生きていける人はすごいと思う
 自分が協調性がないので、そういうところにいるとストレスがたまって、我慢できなくなる
 人はこちらの生き方を自分にはできないという
 でも、こちらにはそちらの生き方ができない
 人一人の生き方は、どんなカタチにしろ、前を見ている限り、美しい

十二月七日 
 季感

 寒くなってきた
 そんな時にバイクに乗ると、さくりさくりと寒さが服をすり抜けてくる
 肌から冬がしみこむ
 こういう季節の感じ方は、意外と好きだ

十二月六日 
 単界

 終電も近い電車に乗る
 ほぼ埋まっている座席では、携帯を持つか、本を読むか、眼を閉じる人々
 それぞれの世界に沈む
 この箱の中には、乗った人の分だけの深い世界が、いま、ある

十二月五日 
 空季

 遠くに見える富士山に、雪の川が流れていた
 この季節は目がよくなる、遠くの富士の表面が、さり、と浮かぶ
 無性に空を見上げたくなる、そんな季節

十二月四日 
 知恵

 こん、と寒くなった
 まだ灯油を買っていないので、家の中でも上着を着ている
 意外と平気で過ごせる、寒ければ着る、暑ければ脱ぐ
 原始的で、根源的な、人の知恵

十二月三日 
 光池

 三時ごろ、西に向かって道を進む
 ひとつ奥に入った細い道では、マンホールのふたが、ひか、と日の光を受けていた
 いくつもあるそれはひかりの池のようで
 そこに、ぽとん、と入ったら、どこに出るのだろう

十二月二日 
 覚悟

 覚悟をしないで生きることと覚悟をして生きること
 そのどちらも、どうしようもなく、素敵なことだと思う
 どちらを選ぶことも、決して間違いではないと、心から思う
 大事なのは、生きることに迷わないこと、じゃないのかな

十二月一日 
 類似

 最近和食を習得しようと思っている
 食事には最低三品は並べようとしていると、いろいろと効率よく動かなければいけなかったりする
 そして、切ったり、盛り付けたり
 料理という作業は、つくるということに、とても似ている

トップへ