川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

七月三十一日 
 湿夏

 名古屋は暑い
 湿度が高いから暑いのだ
 そして、夕立もどさっと来たりする
 何だかそれが、夏らしくて、ちょっと好き

七月二十九日 
 睡眠

 今から名古屋へ
 電車なので、途中で寝ても大丈夫
 では、行ってきます

七月二十八日 
 

 念願かなってジェリー家のモカちゃんと遊ぶ
 か、かわいい、くるくるの巻き毛、つぶらな瞳、真摯な眼差し、かわいい
 手をひたすらにぺろぺろと舐めてくれたり、ジェリーちゃんがお手と言ってもこちらにお手をしてくれたり、いかないでっというボディランゲッジをしてくれたり
 最後は塀に前足をかけてお見送り
 よし、また会いに来よう

七月二十七日 
 存在感

 台風一過
 朝早く、流木でもないかと海を見に行く
 舌を向いて砂浜を見ながら歩いていたが、ふと目を上げた
 青い空、地平に白い霞、すぐそこには大きく砕ける波、そして、富士山
 見惚れた
 流木はなかった、でも、海辺に来てよかった、と思えた

七月二十六日 
 夏気

 台風の厚い、それでいて軽い雲が空を覆う
 さら、さら、と降る雨
 林の横を通ると蝉の声がわんわんと響く
 ああ、夏なんだ、そう思うとなんとなく、悲しかった

七月二十五日 
 潮香

 ぐうう、っと持ち上げられ、くくく、っと傾き、どどど、っと崩れる、そして、ざざざ、と帰る
 崩れる時にはちいさな白い飛沫を飛ばす
 音が聞こえてくる、空気が変る
 潮が、香った

七月二十四日 
 意思

 車で遠出をしていた
 信号のない横断歩道に近づいた時、三人ほどの女の子がわき道からぱたぱた、っと出てきた
 そのうちの一人が、ぐんっと背を伸ばし、弓なりになりながら、手を上げた
 曇った空に、ぐう、っと届くかのように
 こんな風に手を上げられたら、もう止まるしかない、笑顔で

七月二十三日 
 想像

 もっと想像力がほしい
 自分の頭の中で考えることを、もっと、もっと、幅広くしたい
 そう思った

七月二十二日 
 光河

 夜、バイクで走る
 陸橋の下を通った時、街灯や信号などの光が、橋の裏に舞っていた
 空を渡る光の川
 人の作った天の川

七月二十一日 
 変化

 アクセサリは売れるたびに同じものを作っていく
 しかし、それは同じものでありながら、まったく違ったものだったりする
 デザインを少し変えてみたり、色にそのときの気分が出たり、自分の腕が上がったり
 いろんな要素が込められる
 作るということは、時を封じ込めることなのだな、と、作るたびに、思う

七月二十日 
 生線

 生きているということを一本の線にすると
 生まれるということはその線の始まりで
 死ぬということはその線の一番最後と、線のないところの間の部分だと思う
 死ぬということはそういうことなのだろう、存在しているのに、認識できないもの
 だから美しく、だから恐ろしい

七月十九日 
 双子

 二人の人が車に乗ろうとして前後の扉を同じタイミングで開け、同じタイミングで座っていた
 二台の同じ原付に同じヘルメットを置いてあり、同じ角度に顔を曲げていた
 同じようなボーダーのシャツを着た二人を見た
 今日は、双子の日

七月十八日 
 生誕日

 昨日はそらちゃんとTiro3の誕生会で横浜に
 知っている人も、知らない人もいる、そんな大勢の人たちの中にいるのが、楽しい
 心地よい人と一緒にいることは、とてもとても幸せで
 ちょっと、飲みすぎました
 ともあれ、そらちゃん、Tiro、おめでとう、ありがとう

七月十七日 
 座猫

 日が変わってすぐ、外を歩いた
 交差点のところに行くと、猫がたたずんでいた
 じっと、そこに座を決めていた
 梅雨の曇り、じとりとした、夜
 不思議な、不思議な、空間

七月十六日 
 供歩

 人と真剣に接すると、その人にどこか引きずられる
 だから、自分の気に入っている人、尊敬するところのある人、好きな人
 そんな人と接したい

七月十五日 
 くぼみ

 価値観というくぼみをそれぞれの人が持っていて
 いろんなものがそのくぼみに入ってこようとする
 そのくぼみに、ぴたり、とはまるものがあるとき、とても、心地よい
 違う形のものを入れようとすれば、角がこすれて、痛い
 無理やり入れれば、その痛みのために自分のくぼみの形を変えてしまうか、壊れてしまうのだろう
 自分の形を変えるのも、違うものを入れられないようにするのも、どちらも間違ってはいない
 ただ、人それぞれにくぼみがある、ただそれだけの、事実

七月十四日 
 混濁

 曇っていた
 空は一面の、白
 その白がそっと漏れているのか、街もいつもより、白い
 すべてが白く染まる季節

七月十三日 
 

 最近、作る作る
 青森で思った以上に売れたことと、金山のイベントが近いことと、注文がたまっているのと、足元を固めたいのと
 でも、お面が作れなかったりなんだりと、したいことができないといのもある

 ああ、時間がほしい、もっと作りたい

七月十二日 
 

 背中に大きな翼の刺青をしている人を見た
 果たして、その翼は羽ばたけるのか
 果たして、その翼で飛べるのか
 そして、その翼でどこに行こうとしているのか
 そんなことを、思った

七月十一日 
 思う色

 カラスが飛んでいた
 枝に止まろうと羽根をいっぱいに広げた時、尾羽の一枚が、鈍いえんじ色に見えた
 羽の色か、血の色か
 もしかしたらカラスって、黒くないのかもしれない

七月十日 
 季節味

 近くに無人販売がある
 最近は夏野菜だ、きゅうり、なす、トマト
 袋いっぱいのきゅうりを買ってきて、塩もみにする
 うまい、旬だ

七月九日 
 三つ穴

 スタッフィさんのところに置くぱっかんを作る
 途中でふと見ると、鼻緒の通る穴が三つ
 何だかそれがすごくかわいらしく思えた
 どうかいい子に出来上がりますように

七月八日 
 けぶる

 もやりとした空気の中に鳥の群れが飛んでいた
 なんだか、心がきゅ、っとした
 雲の隙間から日がのぞいて、けぶる空気に光を散らしていた
 梅雨の中の一日、けぶる日

 そして、メルシー、行けなくなりました、とほほ

七月七日 
 スナック

 帰ってきたばかりだが、土曜の夜は東京に行く
 イトウアヤコの開く一日スナック”メルシー”に行くのだ
 そこではいろんな出し物がある、そしてスナック
 あのイトウアヤコの作る空間、果たしてどんなものなのか
 エエラボ夜帰り旅行、今から楽しみ

七月六日 
 住処

 青森から帰る
 車での旅はいろんな町を通る、それぞれの町ににおいがあり、それぞれの町に色合いがある
 ぎらりとした建造物、堆肥の匂い、森の空気
 いくつもの町を越えて自分の町に帰った
 ここも、悪くない、と思った

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