十二月二十九日　
　空気

　ここ数日、きんと空気が冷える
　まるで手を振ると、きちりとした冬に触れられそうな
　年の暮れに冬が来た、ここは日本、四季の国

　今夜東京に出発する
　この日記、今年最後である、多くの人、ありがとう、今年もお世話になりました
　未来も、よろしく

十二月二十八日　
　年賀状

　年賀状の絵柄をやっと書き上げる、なかなかかっこいい
　これをプリントアウトして、宛名を書くわけだが、とても今年中にはかけそうもない
　正月に赤坂プリンスの店番中に描くかなぁ、と画策中
　そんなわけで、到着は遅くなります、お許しくださいませ
　また、いろんな人に送るつもりですが、どうしてもっ、とご希望の方は御連絡くださいませ
　酉年の、うさぎですよ

十二月二十七日　
　鳥雲

　空に大きな雲が浮いていた
　まるでそれは夕日に向かって羽ばたいていく鳳凰のようだった
　大きな翼をばさりと動かし、大きな尾羽をたなびかせる
　光に向かって進んでいくような
　少し、ほっとした、ゆるりと作れそうだ

十二月二十六日　
　進まず

　思ったように進まない
　まずいっす、マジやばいっす、とほほ

十二月二十五日　
　後無し

　個展用のお面の二つ目の型がやっとできる
　…マジでやばくないですか？というペースである
　正月に赤坂行ってる場合じゃないよ〜、寝ないで作りたいよ〜、とか思ったりもしている
　でもまぁ、なんだかんだで赤坂行って、しっかり寝て、お面も作れるだろう
　こういうところではとことん楽天的である
　意外と、気楽
　でも、いいものできますよ、ほんとに

十二月二十三日　
　言葉

　吉原商店街のラジオ、ラジヨシに出演するために吉原商店街まで行って来た
　なじみの鈴木さんがパーソナリティを勤める番組である
　もともと鈴木さんは言葉遣いがいい方ではない時がある
　ラジオ、という言葉で作り上げる世界ではそれが問題となるときもあるという話しを聞かせてもらった
　言葉は語った人の口からでて相手の耳に届く間に形を変えることはない
　でも、その言葉がそれぞれの人の心に描く絵は、その人によってさまざまな形をとる
　難しい
　自分も多くの人を傷つける、傷つける
　もっと優しい言葉を吐きたいと思う
　難しい

　ラジヨシは富士吉原商店街周辺で受信できると思います
　78.7MHｚ、ディレクター他いろいろやってらっしゃる植田さんもとても一生懸命でした、よければ、聞いてみてくださいまし

十二月二十二日　
　人好き

　今日はワークショップユニティのメンバーで忘年会をした
　先日はエエラボのメンバーと忘年会をした
　人と一緒に食事をするのは楽しい、大勢とでも二人ででも、楽しい
　お酒を飲んでいなくても、話をしていなくっても、とてもとても、楽しい
　なんだかんだいっても人が好きなのだと思う
　人と同じ空気を吸っているのが、嬉しい
　そんなことがなんだか嬉しいと感じられる、それが、嬉しい

十二月二十一日　
　終了

　クリスマス展が終了した
　場所は静岡の一等地である、いろんな人に見てもらえたことと思う
　ただ、…写真を撮り忘れている
　しかも今回出展作品はサンタクロースに関するもの、ほかの時期に出すのだろうか？
　今回はレポートはなしにしようと思う、この作品、また出すときがあるか…さてさて

　クリスマス展に来ていただいた方々、どうもありがとうございました
　この場を借りてお礼申し上げます

十二月二十日　
　道

　帰り道で、ふと昔良く使っていた道を通ることにした
　その道の好きなところを通ったとき、じわん、となにかが広がった
　自分が好きだったこと、好きだったもの、久しぶりにそれに触れると不思議な感じがする
　そう感じるのも、自分が変っていっているからなんだろう
　これからも不思議に感じていこう、これからも変っていこう
　自分の道を、進んでいこう

十二月十九日　
　龍

　個展用のお面がぼちぼちと進んでいる
　龍が形になっていく、ホントにぎりぎりのスケジュールであったりするが
　二匹の龍が何とか天に上れますように
　そう思いながら、作っていくしかない

十二月十八日　
　日のあたる場所

　夕方に空を見上げる
　高い高い空の上で、小さな鳥達が飛んでいた
　くるりと宙返りをしたり、ぱさぱさと羽ばたいたり、すいっとすれ違ったり
　日の光を浴びながら、空を舞う鳥達、日の沈んだビルの谷間から、見上げる

十二月十七日　
　見せるカタチ

　クリスマス展に出展して、展示会というのはどういう風にあるべきかをいろいろと考える
　見せ方、接し方、話し方
　そのカタチによって、見易さ、居心地のよさ、楽しさが変ってくるのだから
　自分の作品が好きだ、だから良く見せたい、そのためにも考えなければならない
　少し思ったことがあった、この経験は、次に花開くはずだ、きっと

十二月十六日　
　開始

　今日からクリスマス展が始まった
　いろんな作家のいろんな作品が並ぶ中、作品を展示する
　いろんな個性のいろんな形、こういう空間にいるのはとても好きだ
　今回のギャラリーもとてもよい、使ってみたいと思えるところだ
　そんなわけで、来週の火曜まで、ちょっと楽しみ

十二月十五日　
　木漏れ日

　窓を見ると木漏れ日が射していた
　空気がひやりとしてくると、木漏れ日がとてもきれいに見える
　光がぐぐっと存在感を増す
　優しい力、ほんわりとする
　すこし、ほっ、とした

十二月十四日　
　優気

　優しくなりたい
　もっと優しくなりたい
　きっと小さなことなんだけど、そこで優しくなれるなら、もっともっと成長できるはず
　優しく、大きく心を開いて
　もっと優しくなりたい

十二月十三日　
　別世界

　信号待ちをしているときに目を閉じた
　うあんうあんといろんな音が寄せてくる、車の音、人の声、お店の音
　音が頭の中で街を作り出す、それはいつもとは違う世界
　もう一つの街

十二月十二日　
　教室

　個展ではワークショップをする
　お面を作ってもらったりするのだが、うまくいくかどうかがちょっと不安である
　まぁ、何事も始めてはあるわけだから、やってみようということで
　その内容を今日HPにUPした
　さてさて、どうなることやら

十二月十一日　
　宣伝

　今日、一月の個展のDMが完成した
　いろんな所に置いてもらって宣伝したり、いろんな人に送ったりしよう
　がんばって宣伝して、そしてがんばっていい作品つくろう、いくぞいくぞ

　DM、いろんな人に送るつもりですが、もし希望の人がいましたらメールでもくださいな

十二月十日　
　進行状況

　クリスマス展に出す新作がいまだ作成中
　緑と赤と白い三つのお面（お面か？）で構成されているのだが、いまだ一つしか完成していない
　…でかいんすよ
　長い、長いんです、三つ合わせて一メートル二十くらいありそう
　明日も作ろう、明後日も、もちろん、今からも

十二月九日　
　欲求

　昼間の仕事が再開した
　一ヶ月間ただつくる事にかんする事をしていたせいで、とても退屈に感じた
　つくることで最低限生活費が稼げたらいいのに
　そうしたら、ひたすらつくろう

十二月八日　
　傾き

　夕焼けは好きだ、美しい
　でも、その前の日が傾いた雰囲気は、なんだか淋しげで苦手だ
　今日も午後三時ころ、車で走っていてなんだか淋しくなった
　一日はいろんな顔を見せる、この淋しさもその一つ
　いろんな面があって、一つになる

十二月七日　
　時

　気づくとクリスマス展まで間がない
　作品の進行状況もよくない
　間に合うのか？間に合うのか？
　いつもこんなこといっている気がするが、今回は後が詰まっている
　二月までもつのか？もつのか？

十二月六日　
　できること

　十二月にクリスマス展に出展し、一月には個展、二月にはジコペキと展示会が続くため、お面をがしがしと作っていかなければならない
　それ以外にも、一月に赤坂プリンスと赤レンガ、二月にもいろいろと出展するためにアクセサリなども作りたい
　ずいぶんといろいろなことを詰め込んでいる気がする
　やれることしかできない、でも、やれることを精一杯やりたい
　できることを考えるより、やりたいことをやろう

十二月五日　
　遠く遠く

　ごう、と強い風が朝早くに吹いていた
　夕方には淡青色の富士の上に薄桃色の雪がくっきりと見えた
　夜には細かな細かな光の粒が空を飾った
　風が見せてくれたきれいな絵

十二月四日　
　対話

　うちの車にはターボが付いている
　知っている人も多いと思うが、ターボが切れるときに、こ、しゅー、という音がする
　こちらがアクセルを踏む、ターボがかかる、アクセルを緩める、こ、しゅー
　すごく単純なことなのに、なんだか対話しているような
　ちょっと楽しい気持ちになった

十二月三日　
　オン

　昨日から体と心のスイッチが入った感じだ
　ひたすらに造っていられる、意識が途切れないでいられる
　いい流れがきた、まだ乗り切る山は高く、道のりは長い
　この流れで、いいものを作っていこう

十二月二日　
　龍

　夕暮の空に、いくつもの細長い雲が浮かんでいた
　水平線をぐるりと見回すと、いくつも、いくつも、長い長い雲が浮かぶ
　それはまるで天かける龍のよう
　夕焼けに桃色に染まったり、闇に沈みかけて紺色になっていたり
　そのうろこをいろんな色にひらめかせながら、ゆっくりと、空を泳ぐ
　この夕暮れは、龍の駆る、空

十二月一日　
　幅

　にばんでの展示の帰り、海辺を走るとぷんと潮が香った
　ぼんやりと匂いを嗅ぐと、やわらかく、心地よい
　海から生まれ、海に帰る
　心がやわらかいとき、その海に近づく気がする
　今日の心はすこし、やわらかい