川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

十月三十一日 
 笑うこと

 自分が作ったもので、笑顔になる人がいる
 うれしい
 誰かが笑ってくれる、自分も笑える
 笑顔が好きだ、全ての人が笑えるといい
 ただ単純に、一人の人が二人の人を笑わせられれば、全ての人がそうできれば、世界に笑いは満ちるのではないか
 そんな甘いことを、考えた

十月三十日 
 かたち

 新しいお面の型ができる
 三つの顔とひとつの花
 それぞれの顔にそれぞれの思い
 このお面がどう変っていくのか
 わくわくする

十月二十九日 
 光雨

 おぼろに、おぼろに
 空を見上げると、月の光がほろ、ほろ、ほろ、ほろ、とくだけて空に散っていた
 光が降り注ぐかのように
 今夜、月が空に溶けていく
 明日はまた違う月が輝く

十月二十八日 
 照射

 草珠が今日いっぱいでお店を閉めた
 少しのぞいただけだったが、その間にも何人もの人が訪れていた
 惜しい
 そこには温もりがあったのだろう、多くの人がゆらりとひきつけられるような
 草珠はもうそこにはない、でも、その温もりはまだあるはずだ
 その温もりはオーナーのさゆりさんが放っていたものでもあるはずだから
 人は人を照らす

 帰りに見上げると、月が雲から顔をだし、地球を照らしていた

十月二十七日 
 感謝

 新しい面を作りだす
 デザフェスとストフェス、両方に新作の面を持っていくつもりだ
 間に合うか?間に合うのか?といつもの問いが浮かぶが、多分大丈夫、といつもの答えがある
 面を作るのが楽しい、もっと作りたい
 作るということがこの世にあったことに、感謝

十月二十六日 
 水夜

 朝からほろほろと降っていた雨が、深夜にはあがっていた
 その夜をバイクで走る、その空気は、少しだけ、水の中
 袖の口や首筋から、その黒い夜が、黒い水が、するりと入り込む
 少しだけ、肌寒い
 見上げた雲は、波立つ水面
 ここは夜の海

十月二十五日 
 一歩

 個展を決めた
 来月の一月、場所はJR清水駅近くのお店、雑貨屋でお茶の飲めるお店、パナリ
 この店は好きだ、でも、もうすぐ店を閉めるという
 この店は好きだ、 初めての個展はここでやりたいと思っていた
 でも、二月か三月にやらせて!と言ったら、お店ね〜、移転するか、閉めちゃうんだよ〜、と言われて、あぁ、とほほ、と断念していた
 今日行った時に、いつ閉めるの?と聞くと一月とのこと、最後の記念にしばたくんの個展やりたかったね、と言われ…やる?やろうか?やろう!となった
 パナリで個展ができる、うれしい
 そしてこの日記に書いた、実現させるために、前に進むために
 個展をやります、パナリです、いい店です
 みなさん、来てくださいな

十月二十四日 
 幸福感

 河口湖で過ごした二日
 その幸福感
 始めて行ったペンションで過ごした夜、その安心感
 机をはさんで交わされる笑顔、驚きと喜びの苦笑い、誰かの手が作り出した美味しさ、人が人を褒める言葉、真摯な瞳、暖かい空気
 全てが幸福と安心を心に降らせる
 うれしくて、しあわせで、だいすき
 ありがとう

十月二十三日 
 渇望

 河口湖でラフォーレ修善寺のお泊り打ち上げに行く
 気をはらなくていい人達と一緒に過ごす
 気持ちをふわりとさせることができる、そんな人達
 なんとも、うれしい週末だ
  いってきます

十月二十二日 
 

 日記に夕焼けのことを書いた、その夕焼けのことでブルーさんが返事をくれた
 ふと、そのことについて考えた
 月が綺麗な夜に、綺麗な月を教えてくれた人達がいた
 そのことが思い出された
 空は、広く、広く、どこまでも続いている
 同じ夕焼けを見て、同じ月を見て、遠く、遠くの人と繋がっている
 僕が吐いた空気を、遠くの誰かが吸い込む
 空は広く、どこまでも続いている
 すごいことだ、この空は、広く、広く、世界を繋ぐ
 インターネットなんかなくたって、大きく空を仰げば、今、僕は世界と繋がっている

十月二十一日 
 渇望

 もっと、もっと、作る生活がしたい
 作るために食べ、作るために寝、作るために作っていきたい
 物を作るためにこの手を動かす、物を作るためだけにこの手を動かす
 もっと、もっと、作っていたい、そうなるために、何をする?何ができる?

十月二十日 
 風紋

 風が踊る、ごうごう、と
 大きな渦がぐるりぐるりと日本の上を通り過ぎる
 ばたばたと雨が地を叩く
 風が通り過ぎたときに、飛沫がふわりと紋を描く
 大きな、風の、紋

十月十九日 
 

 静岡の匠宿から来年の出展案内が来た
 プリンスホテル、赤レンガ、匠宿と着々と来年の予定が決まっていっている
 自分の進む道がゆっくりと伸びていっている
 この道をさらに伸ばすことも、太くすることも、途切れさせないことも
 それは自分次第のこと
 くっとあごを上げる、道の先をくっと見つめる、足先がくっと動き出す
 進もう、さらに進もう、この道を

十月十八日 
 夜海

 夜の海を見る
 深く、深く、黒く沈んでいる海、そこから打ち寄せる波もまた静かに、黒い
 それでも波の先端は透き通り、さらさらと寄せ、返る
 深く深く黒い海、もしかしたらその上を歩いて向こう岸に届きそうな
 朝日が海を溶かすまで

十月十七日 
 感性

 富士こどもの国というところで、お面に落書きのワークショップをした
 子供たちがお面に真剣な表情で描いていく、ひたすら白いお面を黄色くしていったり、ごま塩ひげをはやしたり、お母さんがもうやめようといってもやめなかったり
 自分の感じることを、自分の手を使ってお面に表現していく
 決して上手くはない、それでも、そのお面にはなんともいえない魅力がある
 お面を作っていたとき、彼らの人生にはお面しかなかったのかもしれない、それぐらいの、集中力
 そりゃぁ、いいもの、できるさ
 すげぇ

十月十六日 
 就寝

 夕焼けを見た
 山の黒い影の上にとろりとした燈に近い赤、そこから黄、緑と変わっていき、深い、深い空色となる
 その上に雲、黄金色を筋にして輝かせる雲があった
 なんとも、綺麗だ
 見続けると、その黄金色が、ゆっくりと茜色に変わっていった
 まるで、まぶたを閉じるように
 空が、眠りにつく、ゆるりと、ゆるりと

十月十五日 
 やさしいという事について

 やさしい人がいる、いっぱいいる、僕の周りに
 いつも優しい人たち、優しい言葉をかけてくれる、優しく話を聞いてくれる、優しく見守ってくれる
 それはとても、とても、うれしく、暖かい
 そんなときに思うのは、自分が果たして優しくしてもらう価値があるのか、という事

 聞いたことのある人もいるでしょう、昔の話
 おじいちゃんがいました、僕が中学一年生のときにこの世を去りました
 おじいちゃんは僕のことをとても好きで、とてもとてもかわいがってくれて、おじいちゃんが子守唄を歌ったのは僕だけだったそうです
 おじいちゃんの優しさは、僕を包み込むと同時に僕をわがままにしました
 僕が小学校高学年のときに、おじいちゃんは病気になり、ほとんど寝たきりになりました
 自宅で布団に寝ており、食事の際は誰かの手を借りて食卓につき、食事を取った後、僕に背中をさすったり肩を叩いたりして欲しいと言っていたのです
 僕はとてもわがままでした
 おじいちゃんが求める、ほんとにちょっとした優しさを、僕はただめんどくさいという理由だけで拒んでいたのです
 中学になり、英語の授業を受けていたときに、おじいちゃんはもうこの世にいなくなったという話を伝えられました
 家に帰ると、白い、白い顔をしたおじいちゃんが、そこに横たわっていました
 なぜ、あのとき、おじいちゃんに、やさしくして、あげなかったのか?
 そんなことを、涙を流しながら、ずっと考えていました

 そのとき、人に優しくなりたいと思った
 いま、自分が人にやさしくできているかどうか、自信はかけらもない
 相変わらずわがままで、人の気持ちが判らない、そんな人のままの気がする
 そんな自分は人に優しくしてもらっていいのだろうか?
 そう考えずにはいられない
 優しい人たち、ありがとう、とてもうれしいです、だいすきです
 もしかなうなら、僕もみんなに優しくしたい、みんなを暖かくしたい
 おじいちゃんにできなかった優しさは、もう一生できない事なのだけれど
 でも、だからこそ、人に優しくしていきたいと思う、おじいちゃんが教えてくれたことだから
 優しい人たち、ありがとう、だいすきです、いつか僕も、そこに行きたいです

十月十四日 
 

 物事には、ここ、という時があるはずだ
 今日はそんな、時、を感じる瞬間がいくつかあった
 時をつかむためにはいろいろな要素が関係してくると思う
 それでも、自分の気持ちがあれば、何とかなると思う
 今日は自分にとっていい方向に動いた、時、ではなかった
 しかし、その動きが自分の気持ちを少し引き立てた
 時をつかもう、と思わせてくれた
 たとえ前から風が吹いてきても、前に進めないわけじゃない
 むしろ、それで強くなることも、ある

十月十三日 
 久しく

 ここ何年も映画を見ていない
 見たい
 暗い空間で、スクリーンに映る世界の流れに身をゆだね、ぐーっと入っていきたい
 見るなら邦画がいい
 日本人にしかわからない何かがそこには必ずある
 なんだかとても贅沢ではないだろうか
 つつましく、ぽとり、と
 ああ、映画が見たい

十月十二日 
 前に進むということ

 草珠という喫茶店がある、結構お気に入り
 そこが今月いっぱいでお店を閉めるそうだ
 オーナーさんいわく、やりたいことがいっぱいあるし、土日に休んでいろんな展示なども見てみたいとか
 新しいことを始めるのは、とてもエネルギーのいることだと思う
 いま、その一歩を踏み出す瞬間にあるのだなぁ
 応援したい、そのエネルギーがあれば、きっと前に進めます、無理をせずに、ぼちぼちと

十月十一日 
 空間

 パナリさんに行くとお休みだったのでサンゴさんに行く
 なんだかこう書くと暗号のようだ
 パナリさんもサンゴさんも素敵なお店だ
 好きでやっています!というのがひたひたと伝わってくる
 ああ、心地よい、と思わせてくれる
 いつかこんな空間を作りたいな、と思う、いつになるかはわからないけれど、いつか

十月十日 
 笑顔

 昨日は、中安モモとちかちゃんの結婚式の二次会でしこたま飲んだ後カラオケ、その後アトリエに宿泊となった
 昼ごろボーっとする頭を連れて、浅間神社前にてのお祭り(日本とタイのコラボってたお祭り)に手ぬぐい出展中の北峰嬢に会いに行く
 北峰嬢のほかにもアネモネ社さんがいらっしゃる、ああ、タイの食い物が旨い
 その後草珠へ、さゆりさんと話し、うさぎを褒めてもらった
 買い物のために街中をぶらついていると、行き付けのマックの店員さんに会う、顔を覚えられている、う〜ん
 帰るために地下を通ると原くんが路上販売していた、がんばっているなぁ

 昨日今日といろんな人に会った
 予想通りの人もいれば、思いも寄らない人も
 知っている人にたくさん会うと、だんだんと穏やかな気分になってくる
 知ってる人が笑う、自分も笑う、心がほうっとなる
 いつも思う、みんなが笑っていられれば、戦争なんて起こらないんじゃないか?
 怒るのは嫌い、いつもみんなが笑っていられればいい
 昨日、今日会った人は、みんな笑っていた
 世界が少し、平和になった

十月九日 
 日記

 毎日欠かさずチェックしているサイトというのがいくつかある
 新作の発表というのを期待している部分もあるが、大体は日記を読むためである
 ほぼ毎日更新する人もいれば、ぼちぼちと更新する人もいる
 更新があろうとなかろうと、チェックする人はチェックしている
 とどのつまり、その人の書く日記がすきなのだと思う、その雰囲気が好きなんだと思う
 今日も日記を読んでいて、ふわり、と笑顔になったり、むむ、と考えたり
 いろんな気持ちをその人たちからもらっている、うれしい、ありがとう

十月八日 
 雨男

 明日はエエラボリーダー中安モモの結婚式だ
 その二次会に行ってくる
 今日、彼のすごさを再確認した
 台風です、きましたよ
 彼がイベントに参加すると、大体その日から雨が降っていた
 そして結婚式にこの十年最大の台風!
 あんたすげぇ
 すごいのはわかったから、明日、雨やめにしない?

十月七日 
 時の速度

 朝出かけると、空気が肌寒くなっていた
 ああ、そんな季節か、と思う
 去年の冬はとても遠いことのように感じる
 時間が過ぎるのが早い、と知り合いの多くは言うけれど、今過ごしている自分の時間はとても遅い
 自分の好きなことをやるというのは、そういうことなのかもしれない
 とても、濃い、時間

十月六日 
 歴史

 髪を切る
 自分で切る
 百円ショップで買ってきたすきバサミと普通のハサミ
 しゃり、しゃり、しゃり
 前に髪を切った時から積もっていた歴史が、ぱさり、ぱさりと落ちていく
 自分の手で、ゆっくりと
 切り終わった頭はちんちくりんだ、でも、さっぱりした
 今から新しい歴史が、この髪に積もっていく、とす、とす、と

十月五日 
 音雨

 雨の音がする
 ぱさぱさと木の葉に当たる雨、ばたたたと傘に落ちる雨粒、さぁぁぁと海に落ちる小雨
 水溜りをばしゃりと歩く、ぴたんぴたんと雫がたたく、ざざざと流れが生まれる
 いろんな雨の音がする
 そんな雨の日、世界の音は少しだけ静かになる
 いつもの音がそっと天に上って、ぎゅう、と雨粒になって落ちてきているかのように
 雨の音を聞く、もしかしたら、もっと他の、何かの音が、聞こえるかもしれない

十月四日 
 周り

 いま周りが大きく動いている
 結婚、個展、サイトのオープン、などなどなど
 みんなのハッピーがうれしく、そしてうらやましい
 いまごんごんと動く周りに上手く乗って自分も動こうと思っている
 このまま何もやらなかったらきっと悔しい、だからこの手を動かそう
 いつかいつか、大きく笑うために

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