川流れ時々日記

流れ流され書いていきます

四月二十九日 晴来晴願
 行ってきます

 今から修善寺に出発だ
 日記もしばらくお休みだ
 晴れますように、見てもらえますように、何より、楽しめますように
 では、いってきます

四月二十八日 一過
 トリコロール

 昨日の雨がうそのようにからりと晴れた空
 海辺を走るといつもと違っていた
 遠くを見ると深い深い青の深い海、近くには青緑色の浅い海が見える、これはいつもの事
 今日はさらに手前に土砂の混じった苔色の海があった
 三色の海、空はとても晴れたのに海にはまだまだ嵐が残っている、 そういえば風も強い
 何か大きな事があった時、そんなにすぐに物事が変わるものではないんだなぁ
 空に嵐がなくなっても、河にたまった嵐が海に流れ込んで三色旗を作り出しているぐらいだ
 山の神様が、嵐なんか忘れてしまった頃、海も二色旗に戻るのかな
 物事を変えるってのは、のんびりで良いんだろうな、きっと
 無理をせずに、ゆっくりと、確実に

四月二十七日 
 コトバ

 修善寺にはコトバ使いが現れる
 シーズンオフ、という五人組だ、なにやらいろいろと言葉が飛び交うらしい、詩人の方々の使うコトバ、コトバ使いのこの人たちがどんな言葉を操るのか、今から楽しみだ
 このシーズンオフのメンバーにイトウアヤコさんがいる
 この人の日記が面白い、うはぁ、と感心するぐらい上手くコトバと遊んでいるのだ
 コトバは人を表すらしい、自分もこの日記に表れているのだなぁ、と思うとちょっと照れくさい
 あなたのコトバは、どんなコトバですか?

四月二十六日 雨脚
 日記

 もうすぐ修善寺だ
 しばらくあちらに泊り込みになるのだが、そのときの日記はどうしよう?
 まったく動きナシにするか、書きためて帰ったときに一気に書くか
 悩みどころである

四月二十五日 春らしく
 船

 荒れた波を乗り越えて船が進んでいくのを見た
 海は白波も多く、けっこう進むのも大変そうだった
 どかんどかんと波にぶつかりながら進んでいった
 夜空を見上げると穏やかな空にぽかりと月の船が浮いていた
 ゆらりゆらりと夜空に浮かんでいた
 海の船と空の船、同じ船でも大きくちがうものだ
 どちらも美しいけどね

四月二十四日 空の龍空の大陸
 おかえり

 バイクが修理から帰ってきた
 チェーンと後輪のギヤを交換したのだが、すこぶる調子が良くなった
 くいっとアクセルを開くと、ううんとエンジンが唸り、ぐんっとタイヤが車体を運ぶ
 あぁ、帰ってきた、この調子のよさ
 長い付き合いだが、これからもよろしく、と思いながらバイクにおかえりを言った
 今度どこかに出かけようかな

四月二十三日 ゆるり空
 きぜんと

 猫を見た
 車で細い道をぶるりと走っていたとき、前から悠々と歩いてくる猫がいた
 こちらが近づいていくと、ふむん、という顔で歩きながらこちらを一瞥し、ついっと前を向いてから、また悠々と歩いていった
 かっこいい
 こちらも胸を張っていこうかな、と座席の上でしゃんと背を正してみた

四月二十二日 半袖
 すきな花

 垣根にジャスミンが咲いていた
 ジャスミンはすきな花だ、白い花がいっぱい連なっている、そして、香る
 金木犀やジャスミン、香りでこちらにアピールしてくる花だ
 嗅覚へ伝わる情報は、ダイレクトに何かの記憶を思い起こさせるような気がする
 昔すごした思い出、空気、感覚
 気付くと、笑顔になっていた

四月二十一日 ぎらりぎらり
 にほんご

 NHKの、にほんごであそぼ、という番組を良く見る
 その中にいろいろな日本語が出てくる
 鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい
 今日そんな言葉を聞いた、ぐっときた
 みんなちがうのは当たり前だと思う、物理的にも、概念的にも
 みんないい、そう、みんないいんだよ
 ちがう、ちがわない、いろんな要素でいろんなものができている、でもね、どんなものでもみんないいんだよ、そう言われた気がした
 ぐっときた
 鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい
 ぐっときた

四月二十日 夏日
 波乗り

 いろいろとやるべき事がある
 昨日ぐらいからやっといい波が来ている、何とかそれに乗って、いいものを作り上げていきたいと思う
 生活やコンディションに波がある
 自分ではなんともできない波だ
 これをコントロールできたらいいだろうな、と思う今日この頃である

四月十九日 ぱらりざらざら
 ほんもの

 お気に入りの和菓子屋がある
 清水銀座の四葉の二軒ほど隣の和菓子屋だ
 和菓子をひとつだけ買ってつまんでいいですか?と聞くと、お店の中の小さなテーブルでお茶を出してくれるのだ
 そこでお店の人とぼんやり話をしているのがとても楽しい
 今日も四葉にいった帰りによってみた
 季節の和菓子、柏餅があった
 柏餅は白と緑、ヨモギ?と思ってお店の人にヨモギの粉が入っているんですか?と聞くと、なんと摘んできたヨモギをすりつぶして冷凍保存してあるものだそうだ
 迷わずそちらに決めた
 お茶を出してもらい、ぱくり、ほぅ
 ヨモギの味でした、ほぅ

四月十八日 水気泳ぐ
 昔の道

 明日は雨だそうだ、水の気配に水気たちが泳いでいる
 ふと思い立って昔よく通った道を通ることにした
 あそこの店に行くのにぶらぶらと歩いたなぁ、この道は春の桜がきれいだったなぁ、バイクでこの道を曲がるのが楽しかったなぁ
 昔のことに思いをはせると、何一つ無駄ではなかったと思える
 今が好きだ、今に続く道に感謝している
 ありがとう
 水気がついっと顔を覗き込んできた
 今夜はなんだか、空気が濃いや

四月十七日 汗ばむ
 ドライブ

 車で高架橋を走っていた
 ごうごうと隣を疾駆していく車、ぐうんと遠くで旋回するクレーン、機械はまるで恐竜のようだ
 機械でできた恐竜たち、何を思い疾駆し、何を思い首を振っているのか
 そういう自分も車の中
 もしかしたら、もう我々は機械という恐竜の腹の中にいるのかもしれない
 でもまぁ、疾駆するのは楽しいよね、うん

四月十六日 空青く
 ごちそう

 美味いものを食った
 モスバーガーの匠味レタス、あのパンを使わないレタスでパティをくるんだバーガーだ
 これが、うまい
 ハンバーグをレタスサラダで包んだようなものだが、なんともそれぞれの味が引き立って美味いのだ
 ソースやドレッシングも付いていたが、それがないほうが美味しかった
 さすがモスである
 御馳走といわれるとモスを連想する、そんな連想のバリエーションがまた広がった
 ああ、うまかった

四月十五日 朝晴れ
 三文

 ごみを捨てに朝早くに外に出た
 風が強かったのか波の音が聞こえる
 朝の光はほろほろと落ちてくる、ぽんぽんといろんなものが光に触れて目覚めていくようだ
 ごみ出しをし、くるりとうちに向かって歩き出す
 早起きは三文の得だそうだ
 三文かどうかわからないけど、得した気分
 朝日ってきもちいいや

四月十四日 春雨
 かぼちゃ

 焼津にある画廊にいってきた
 ギャラリー La Portoさん、そこで今月25日まで草間彌生展が開催されてた
 よかったよぅ
 かぼちゃが素敵です、なんといっても、かぼちゃ
 お勧めです、ぜひ近くの方、足を伸ばせる方はいってみてくださいな
 先週来たという新作もあるそうです、いいですよ〜
 住所は焼津市駅北三丁目22-9、焼津信用金庫の近く、電話番号は054-620-8818ですよん

 今日は他にも色々書いてみたいことがあった
 でも、またにしようと思う
 今日書きたいことは、ぱたりと折りたたんで、紙飛行機にして、ぴゅー
 地球をぐるりと一周してきたら、書いてみよう

四月十三日 冷たさぽとり
 電柱

 電柱があった
 道があったら大体三分の一ぐらいのところに
 …なんで?
 通りづらいきもする、不思議だ、なんか、いいモノ見た気がした
 そんな日でした

四月十二日 小夏日和
 めざす

 昔、完璧な人間になりたいと思っていた
 誰にも頼らず、自分が一人いるだけで全てが事足りる、そんな人間になりたかった
 いま、自分が不完全であることを知っている
 そんな自分が意外と気にいっている
 それでも、全てにおいてでなくとも、完全になりたいと思うことはある
 そんなときは、必ずもっと良くなりたいと思っているとき、もっと強くなりたいと思っているとき
 今は誰かと生きて行きたい自分がいる、でも、完璧になりたいと思っている自分もいる
 完璧でありたいと思うことで、自分がよりよくなれる気もする
 いつまでも追い求めるものはある
 それを追うことが、自分を高くしていくんだと、信じている
 たぶんこれからも、追い続ける

四月十一日 小春日和
 わさわさと

 最近雨の日が続いた後にぽかぽかした日が続いたせいか、家を出てみるとわしわしと草たちが生えていた
 世に言う雑草というやつだ
 ふさふさしたのが頭についているのとか、服にくっつくのとか、地べたに広がっているのとか
 こういう草たちは大好きだ、よく手入れされた草よりも好きだ
 いつか草でむこうが見えないくらいのところに住んでみたいなぁ、自然の息吹が感じられるところ、森の中、海の近く
 いろいろなものが感じられるだろうか、いろいろなものが見れるだろうか
 いつか住んでみたい、星が埋め尽くすような空の下に
 自然はいい、好きだ

四月十日 蒼遠
 のばす

 あごをぐっと上げる
 空が青かった
 ずううっと青い空、それに向かってぐううっと手を伸ばす
 あの空に手を届かせることができるだろうか、はるか遠く、奥深い、あの青い世界に
 届くと思った、いつかきっと
 満足が顔に広がるのがわかった、ぐっとのばしたぱぁの手を、ぐっと握り締める
 いつかは、届くとも

四月九日 ほわほわ
 のんびり

 今日の日差しはほわほわとしている
 こんな日はぼちぼち外に出てぼちぼち散歩して、ぼちぼち何かをつまみながらぼ〜っとしたいなぁ、と思わせる
 そんな日ってとっても大事だと思うし、とっても素敵だと思う
 生きるということだけを考えたら無駄かもしれない、でも、無駄ってすごく必要なことじゃないかなぁ
 さぁ、無駄を満喫しにいこう

四月七日 さんさん
 食事

 太陽が照っていた、緑の植え込みには赤地に黒い星のてんとう虫
 緑の地に赤い色は良く映えて、とても奇麗な彩りだった
 やぁ、そんな季節なんだよねぇ、と思ってみていると口元で小さいものが動いている
 …アブラムシ
 ああ、こんなかわいいと思われているてんとう虫もむしゃむしゃとほかの生き物を食べるんだなぁ、そして精一杯生きている
 自然の掟というやつだ、せめて食べたモノに恥じない生き方をしよう、精一杯生きよう
 そう思いながら昼食をとった今日だった

四月六日 春の飾り
 近い花

 菜の花が咲いていた
 道に沿ってず〜っと黄色いかわいらしい花が咲いていた
 菜の花は春の花だ、桜と並べてもいい気がする
 桜が手の届かない上品さがあるとしたら、菜の花は笑いかけてくれるような親しげな感じがする
 道を進む、ずっと笑いかけられた、なんだか、たのしいな

四月五日 彩る
 雲の海

 昼間はすごく春めいた青空だった
 そして夜は真ん丸い月
 春になる、というのは世界が色づいていく、ということではないだろうか
 若葉色、桜色、空色、今日の昼間も彩りにあふれていた、目にまぶしい
 ところが夜になると、その彩がきゅううう、っと集まったかのように、まあるい、まああるい月が彩のある、濃い、黄色い姿でぽかりと浮いていた
 冬のきん、とした、触ると壊れてしまいそうな白い月とは違う春の月
 その月のまわりの夜空は、灰色に近い紺、雲は、ふかあい灰色
 月だけが鮮やかな光を放ち、 灰色の雲をぷかりぷかりと浮いたり潜ったりしている
 夜にも春が来る、ここに春が来る
 キレイな夜だ

四月四日 雨化粧
 日本の風景

 今日パソが復活した、お帰りなさい
 こうしてまた日記が書けるというのはなんとも嬉しい限りだ、読んでくれている皆々様にも感謝
 そんな皆様に日本の美をおすそわけ
 今日は雨が降っていたが、静岡祭りの会場だった駿府公園に行ってみた
 昨日から彩が舞うように咲き誇っている桜が、ゆんわりと降る雨に濡れていた
 その光景のなんとも美しいこと、雨でぼやけた目にふわりと桜の白が舞ってくる
 桜は日本を代表する花だろう、その花の美しさを見ることができた
 まぁ、今日が雨でもいいか、そう思えてにこりとできた

 

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