吸血殲鬼ヴェドゴニア

Nitroplus 製作


管理人が既に信者と化しているNitroplusの第2作、吸血殲鬼ヴェドゴニア。

相変わらずパッケージで少女が拳銃を持っていたり男性ヴォーカルの主題歌だったりとエロゲーとして何か間違った路線まっしぐらです。
さて、中身の方はというと・・・


てな訳でヴェドゴニアレビューです。
ちなみに、プレイ直後の感想を見たい場合は戯言帳8月を参照してくださいな。

<ストーリー、キャラクターなど>

ひょんなことから吸血鬼に血を吸われ、ヴェドゴニア(なりそこない)と呼ばれる人の身でありながら
吸血鬼と同等のパワーを備える存在になってしまった主人公。

その目の前に現れるヴァンパイアたち、ヴァンパイアに与する人間、ヴァンパイアハンター。
そしていやおうなしに闇の眷属たちとの戦いに巻き込まれていく彼。

自らの血を吸ったロードヴァンパイアを倒し、果たして主人公は人間に戻れるのか?



とまぁこんな感じで相変わらず熱い話です。

特撮番組を意識して1話につき30分で全13話、毎回OPとEDがあるのですがこのOP&EDが凄いです。


はっきり言って知らない人が見たら恐らくギャルゲーのOP,EDだとは思えないような代物です。

特にOPはジャーマンメタルにのせて男性ボーカルが歌うそこらの萌え歌とは正反対な
熱い曲をバックに武器とか十字架とかそういう画像ばっか。
ヒロインたちは申し訳程度に出てくるだけ。



しかも歌っている小野 正利氏紅白出場、日本レコード大賞ニューアーティスト賞受賞の普通に凄い人です。


また、シナリオの虚淵氏(Phantom of Infelnoのシナリオも担当)が「今回は普通のエロゲーを作ろうと思った」といっている通り、ヒロイン達は
幼馴染、ロリ、眼鏡っ娘、不思議ちゃん、とエロゲーのお約束にのっとっているように思えます。

しかし。

幼馴染は空手歴ありで襲ってきた吸血鬼と戦ってみたり、

ロリ娘はロリなのは見た目だけで中身は××、しかも主人公なんか目じゃない百戦錬磨の
ヴァンパイアハンターだったり、


眼鏡っ娘はシナリオによっては完璧に逝っちゃってたり、

不思議ちゃんはロードヴァンパイアなお陰で年齢2000歳オーバーだったり
(見た目は16、7)。



どこが普通や・・・


しかし燃えは本物です。テキストの格好よさと、異常にいいタイミングで流れる素晴らしい音楽に身震いしました。

主人公がヴァンパイア狩りで使う武器も、ストックの部分が斧なショットガン”SPAS12改 挽肉屋(ミンチメーカー)”とか
常人が持ったら敵より先に自分の腕が切れてしまう三つ刃刀”旋風の暴帝”とか頭悪すぎです。

極めつけは主人公が駆る殺人バイク”デスモドゥス”
これ、あまりに性能が高すぎて人間には操縦不能です。(吸血鬼化すれば可能)
前輪カバーの部分にチタン製の刃がついており立ちふさがるものを切り裂きます。

ラストでは装甲車と交戦してたりとアホ過ぎ。主人公がこいつを捨てるシーンでの

「あばよ、デスモドゥス。お前は最高のマシンだったよ」

は恐らくこのゲームの名台詞の一つでしょう。初めてこれを見た瞬間ちょっと泣けました。




そして敵キャラたち。

敵方に、「ヴァンパイア三銃士」と呼ばれる幹部達がいるのですが、彼らが(一人を除き)最高に格好いいです。

特にヒロインであるロードヴァンパイア ”リァノーン”を守護する騎士ギーラッハ。

「騎士とはな、奉ずるもののためならば、犬畜生にでも成り果てる!!」とかもう最高です。

リァノーンシナリオというよりはギーラッハシナリオといった方がいいくらい目立ってます。

あと、生前は伝説のギタリストだった三銃士の一人ウピエルが
ギターとアサルトライフルを合体させた武器で弦をかき鳴らしながら攻撃してくるのはちょっと笑えました。
なんかそういうのどっかで見たことあるような・・・


相変わらず漢たちが(主人公含め)むやみやたらと格好いいシナリオでした。

<システムとか>

これはシナリオに入るような気もしますが、このゲーム戦闘シーンが時間制限付きの選択肢を選ぶという形で進みます。
(攻撃なら「強打」「牽制」、防御なら「回避」「カウンター」など)

これが人によってはかなり面倒臭く感じるのではないでしょうか。パッチを当てれば2周目以降はスキップできるようになりますが。

俺は結構気に入ったので毎回戦ってました。特に終盤のギーラッハ戦で15分位かかったのっはいまだに覚えています。
なんつうかテキストで「強い」とかかれるよりも彼の強さを実感できました。

でもいくらやっても勝てないとむかついてきますが。



全体としてなんだか動作の重いシステムです。スキップとかに限らず。
最高でも選択肢が4つなのでセーブはあれだけできればいいでしょう。むしろ戦闘で勝てなくてやり直すことの方が多いかも(笑)

<総括>

相変わらず人を選ぶ話です。内容的にも結構重いものがあります。
ほのぼのとした日常なんかを期待する人には向かないと思います。

絵もくせが強いですし。男性キャラは格好いいんですけどね・・・

が、シナリオとしては一級品でした。文章も上手いし。