Nitroplus 製作
一人旅でアメリカを訪れた主人公の少年が偶然遭遇した殺人事件。
それは犯罪組織”インフェルノ”による暗殺だった。
偶然にも”インフェルノ”の暗殺者、通称”ファントム”の姿を目にしてしまった主人公。
口封じのため組織に拉致された彼は、その身に眠る暗殺者としての才能を見出され、記憶を消され
”ファントム”の元で組織の暗殺者として生きることになる・・・。
彼の行く手に待つのは愛する人の暖かな抱擁か、それとも死の接吻か・・・。
てなわけで俺が正直信者になっているメーカーNitroplusの処女作にして代表作、Phantom of Infernoのレビューです。
もうね、ハードボイルド最高って感じですよ、えぇ。
ヒロインたちの紹介でも。
組織最高の暗殺者”ファントム”の称号を持ち、目的の為には手段を失わない暗殺者の少女、アイン。
妖しく主人公を誘惑する組織の幹部、クロウディア。
主人公の手違いから命を狙われ、仕方なく主人公の元で保護される事になった少女、キャル。
主人公の真の姿を知らないまま彼に次第に惹かれていく少女、藤枝 美緒。
アインと主人公に敵愾心を燃やす組織の女暗殺者、ドライ。
こうしてみても分かるとおりこのゲームにおいては、変な口癖だったり変な食生活だったりして
頭のネジが一本外れたような萌えキャラは全く出てきません。
ていうか、皆さんそこらのエロゲーのヘタレ主人公なんかよりもたぶん心身両面でずっと強いです。
とくにアインとか。
負けずと主人公も素晴らしい。
自らの置かれた過酷な運命に立ち向かっていくその姿は本気でかっこいいです。
やる事なすこと悪い方に働いてしまうのはやっててちょっとかわいそうでした。
そして戦闘シーン。
対戦車ライフルで超遠距離狙撃とか、暗殺者同士の早撃ち勝負とか、障害物の陰に隠れたターゲットを
障害物ごと打ち抜くとか、1対1のナイフファイトとか、他にもたくさんあるんですけど、
とにかく燃えます。
特に一番好きなのは終盤の学校内で1対6の戦いを強いられる主人公。お前最高だよ。
そして文章。
どちらかというと3人称的、小説的な文章ですが、かなり質が高いです。
他のゲームをやっていて会話は上手いのに地の文がちょっとなぁ・・・、という事が多いのですが
会話、地の文ともにハードボイルド小説を読んでいるような雰囲気で素晴らしかったです。
エロゲーのテキストとしてはだいぶ異質ですね。
そして最終的に救えるのは主人公の選んだヒロインただ一人というのも予定調和を廃していていい感じです。
全員が幸せになるEDなどというものは基本的に無いので(主人くたちの置かれた状況を考えれば当然ですが)
ED時の感動はひとしおです。
欠点としては、絵がだいぶヘタレなことですかね・・・
まぁシナリオのよさがそれを補って余りあるものなので良いのですが。
あと第3章に入るのが微妙に難しいですね。分かってしまえば簡単なのですが。
システムはちょっと重め。
Hシーン回想、ボイスは無し。正直これらは無くてもいいでしょう。
メニューがちょっと面白いです。これはやってみてのお楽しみ。
何も無いところで右クリック連打連打連打!!
俺はエロなどいらん!!シナリオこそ全て!!
という人は問答無用でプレイしましょう。
素晴らしいハードボイルドシナリオがあなたを待っています。
俺は○○タンでハァハァ(´Д`)したいんだ!!
という人にはあまりお勧めできません。
他の萌えゲーでもやってください。
上質の文章で語られる小説といったところですね。
エロゲーというよりは、18禁だからこそできる表現を織り込んだビジュアルノベルという表現が正しいと思われます。