Ring of Red

KONAMI 製作  PlayStation2


まずはオフィシャルホームページを見てください。
戦闘服のようなものを着た兄ちゃん2人の後ろになんか金属の塊のような妙なものが見えるでしょう。

これがこのゲームの世界における陸戦用汎用人型機動兵器AFW(Armored Fighting Walker)です。

かっこわるっ!!



とまぁ史上最低の格好よさの人型機動兵器に乗って戦う戦術SLG、Ring of Red のレビューです。
俺がこのゲームに注目したきっかけは「AFW+歩兵3チームで1ユニット」というシステムでした。

現実の世界においては戦車は基本的に歩兵と行動を共にするものですから(例外はありますが)
戦車の代替としての人型機動兵器もそうであってもいいはずです。
ていうか俺としてはそうあって欲しいです。

そんなわけで随伴歩兵の存在だけで買ってしまったこのゲームですが、なんと買ったその日の夜中0時から初めて
次の日の16時まで16時間連続でプレイという偉業を成し遂げてしまうくらいはまりました。

では内容紹介といきましょうか。

まずは世界観。
人型機動兵器なんてものが活躍してるくせに1964年です。誤植ではありませんよ。
ちなみにこのゲーム内の日本はポツダム宣言を拒否し本土決戦をやっているので終戦が1946年です。

そしてソ連が攻め込んできたため関東以北は北日本共和国なんてものになっており、
あまつさえ北海道に至ってはソ連領です。
素敵過ぎ

まるで架空戦記の世界ですね。


そしてAFW。
なんていうか、おそらく史上最弱の人型機動兵器です、これ。
歩兵の援護なしではろくに戦えません。

ディーゼルエンジンで動いてたりとか、パイロットのカットインを見る限りではどう見てもハンドルで操縦してたりとか、
格闘戦の時だけ妙に動きが早いとか突っ込みどころ満載。


キャラクター

べつにキャラゲーではないのですが、いろんな意味で濃いキャラが満載(特にリョーコ)なので書かせてください。

雅美・フォン・ヴァイツェッカー

主人公。ドイツ人とのハーフ。愛称ヴァイ。
テストパイロットのくせに部隊の指揮官になってしまったかわいそうな人。
ガ○ダム0083のコウ・ウ○キみたいな人です。

まぁこいつは
「敵を目の前にしたら考える事は一つだけで良い。
『俺が勝つ!!』
それだけだ」

とかいってる奴ですからね(笑。

皆川 リョーコ

きついお姉さん。一応ヒロインなんでしょうか?
瞳が赤いのは遺伝です(開発者談)


この人の

「ヴァイ。知ってる?実弾に当たると死ぬのよ?」


はこのゲーム屈指の名台詞でしょう。いろんな意味で。

最終ステージ終盤でこの台詞を言われたときは不覚にも感動してしまいました
他にも

「いい、ヴァイツェッカー?鬼の対甲脚はあたしの。
あたしにやらせなかったら、あなたを殺すわ」

「獲物を失ったあたしを笑いに来たの?」

等々素敵な台詞を連発してくれます。ユニットとしても射撃・格闘のバランスが取れているいい人です。

鬼無里 謙一

全キャラ中唯一の職業軍人。常に冷静沈着で部隊の頭脳的存在。

の、はずなのですが射撃失敗時の台詞

「・・・今日の運勢はいいはずなんですけどね・・・」
が全てを台無しにしているような気がします(笑

ジョン・リスゴー

元アメリカ海兵隊員。豪放磊落キャラ。

見た目そのまんまの人です。「腹が減ってやってらんねぇぜ」とか。
遠距離砲戦をさせたら誰も敵いません。

桐野 一兵

普通に爺さん。おそらく60は超えてるはず。第二次世界大戦時、「魔女の猟犬」と呼ばれソ連軍から恐れられた人。
格闘戦専門。
あなたそんなに激しい動きして大丈夫ですか?と心配になってきます。
後述の皆川と格闘戦勝負をするとあまりのキャラグラフィックと台詞の渋さにお腹一杯になれます。

桐野 彩菜

ぽや〜んとしたお姉さん。でもAFWに乗って戦います
リョーコ姉さんのあまりのインパクトの強さの陰に隠れてあんまり印象に残らないかわいそうな人です。
が、遠距離砲戦をさせたらジョンと並んで最強です。

長谷部 純

ガキ。
ていうかどう見ても女にしか見えません。(でも男)
搭乗AFWの機動性の高さから俺は囮に使ってました。

エミリオ・パニーニ

何か勘違いしているイタリア人。「イキマ〜ス」(特殊技使用時)とか。
こういうシリアスなシナリオにはっきりいって存在そのものがそぐいません。

が、そのギャップが素晴らしいというかなんというか。

海宝 雄

主人公がコウ・ウ○キならこいつはア○ベル・ガトーです。
物語冒頭で試験中の新型AFWを強奪していくところとかそっくり。激強ユニット。

皆川 英臣

敵組織のリーダーです。
この人イベントシーンでAFWにいろいろ身振りをつけながら語ってくれるのですが、前述の通り
このゲームのAFWの見た目は物凄く格好悪いため、全くさまになりません。
一平と格闘戦をさせるとまさに漢の戦い




システム

システムは擬似リアルタイムのオーソドックスな戦術SLGですね。正方形で区切られたマップ内で移動して攻撃。
1ターンに行なった行動の量で次に動けるようになるまでの時間が決まります。
(移動→待機の方が移動→攻撃などよりもかなり早く動ける)
このあたりは特に目新しい事はありません。

凄いのは戦闘です。
擬似どころではなく完全リアルタイム(ポーズ可能) AFWの活動限界から90秒で戦闘終了。
戦闘前に3班の随伴兵からAFWに搭乗(というより背中にしがみついてるといった方が正しい)する兵を1班選び、
戦闘開始。残り2班はAFWの足元で戦います。

普通はここで双方のパラメーターから結果が計算され戦闘終了、となるのでしょうが、これの場合、

AFW背中の兵士が主砲の弾を装填(3〜4秒)→装填完了、射撃モードを選択(対人or対AFW)
→照準(画面が切り替わり5〜60パーセントから次第に命中率が上昇。4秒も待てば99%)
→適当なところでボタンを押し射撃

これを敵味方双方でやります。
敵弾が当たるといったん上がった命中率が下がり、姿勢が崩れて射撃体勢に入るのも遅くなります。

なので命中率70%くらいで一か八か射撃して敵機の体勢を崩すか、敵弾が当たらない事を信じて
命中率90%位まで待つかといった照準モードでの駆け引きが非常に熱いです。

そして随伴兵たち。
歩兵(対兵戦闘力はNo.1) 工兵(地雷を仕掛けたり鉄条網で足を止めたり) 猟兵(対AFW戦闘力はかなりのもの)
補給兵(戦闘能力は低いがマップでの回復量を増やしたり装填速度を高める)
衛生兵(随伴兵の耐久力を上げる) 偵察兵(地形効果無視&マップでの射程アップ)

がそれぞれ「誘導弾」(AFWに大ダメージ) 「乱射」(敵随伴兵に大ダメージ)といったスキルをもち
敵の随伴兵のスキルと合わせて戦闘前に編成を考えるのはちょっとしたパズルです。

スキル発動も完全リアルタイム(一定時間後衛にいると発動)なので
随伴兵のスキルを使うタイミングなども非常に頭を使います。

随伴兵のスキル「発煙弾」で敵の照準を妨害しその間に自分は命中率90%で射撃、なんてのは序の口で

「鉄条網」で敵AFWの足を絡めて回避&反撃不能にしてから格闘攻撃とか(タイミングが難しい)
「吸着地雷」(踏むとその場で移動不能になる)を設置してからわざと敵AFWの格闘攻撃範囲内に踏み込んで誘い
近づいてきた敵に地雷を踏ませてからゆっくり料理するとか自分で工夫して戦術を編み出すのが非常に楽しいです。

ちなみに格闘がらみの物ばっかなのは俺の性格です



戦闘テクニックを磨けば、同レベルの敵を1戦で撃破出来たりします。
腕で戦闘をひっくり返す事が出来るのがこのゲームの最大の魅力でしょう。




が、悪いところもあります。
前述のようなシステムのため、1戦闘に約2分ほどかかります。
そのため1マップのクリア時間が異常に長く、終盤は1マップ5〜6時間というありえない長さ。

これではよほどの暇人でない限りプレイはかなり困難だと思われます。
これさえクリアできれば、なかなか楽しいSLGなので、ぜひともシステムを踏襲した続編を作って欲しいものです。

ストーリー的にもかなり続けられそうな終わり方をしていましたしね。


ずいぶんと長くなってしまいましたがこれでRing of Redのレビューを終わります。
今ならかなり安くなっていると思うので時間のある方はぜひプレイしてみてください。

偏遊記へ戻る