あなたの様に美しい人なら 砂漠を歩いても砂が後を追うでしょう。 じゃ、あなたは? わたしなら・・ もれなく子供とハムの花子が付いて来ま〜す。 あーそう。さよなら・・・ えっ、待って〜。 |
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■すっかり。 元々は北米などの外国から導入された2x4(ツーバイフォー)工法ですが、日本の住宅工法の一つとしてすっかり定着した感があります。とはいえ一般の方には、まだまだピンと来ていない方も多い様ですし、輸入工法という事で敬遠される方もいらっしゃる様です。それでは!と言うことで、今回は2x4工法(正式名称は枠組壁工法)について、じっくりと考えてみましょう。 ■概要 2x4工法は、在来軸組工法の様な柱や梁はほとんど使いません。基本的には2x4材等の比較的薄いスタッドを組み合わせた枠組を芯とし、それに構造用合板や石膏ボードを釘打ちすることによって壁や屋根・床といったパネルを造ります。そして、このパネルを組み合わせて一軒の家を造り上げるという「木造の壁式工法」の事なんですね。 ちなみに、2x4(ツーバイフォー)と言う名称は代表的な使用材料が2インチx4インチだからと言われてますが、実際の所2x4インチが5cmx10cmなのに対して実際の部材は4cmx9cmと若干小さめになっています。ちょっと面白いですね。 ■歴史 2x4工法は、歴史的に見れば比較的新しい工法です。では、そのルーツはどこにあるのでしょうか?気になりますね。 ヨーロッパの郊外にある古い町並みを歩くと、外壁に柱や梁・筋違いを見せ隙間を白い土壁塗り込めた家を見かけます。ハーフティンバーなど言われるこれらの家が、実は2x4工法の元となっているんですよ。 1:「ヘビーウッドフレーム工法」 ヨーロッパより北米に移住した開拓者と共に上記のいわゆる軸組工法が新大陸に持ち込まれました。これを「ヘビーウッドフレーム」工法と呼びましたが、一つ異なったのは、気候風土的な事から外壁が土壁でなく板壁になったことです。そして、この板壁を留めるための下地材となっていたのが後に2x4工法の基本となる縦枠(スタッド)だったのです。 しかし、19世紀になりますと。移民等による人口の増加によって住居の建設が急務となり、簡単な方法で早く家を建設出来る方法が求められるようになりました。そして複雑で手間のかかるヘビーウッドフレームは廃れて行く事となりました。 2:「バルーンフレーム工法」 技術の進歩に伴い、釘が量産化され木材も規格化した製材品が安価で入手出来る様になった事によって、木造住宅も釘打ちによる接合を中心としたものに移行して行きました。同時に、単なる下地材として用いられていた縦枠(スタッド)が外壁と一体化し柱や梁に代わって建物を支える構造材となって行ったのです。この、スタッドを釘打ちして軽い骨組みにより住宅を造る工法を「バルーンフレーム工法」と称しました。 3:「プラットフォーム工法」 バルーンフレーム工法は、外壁部のスタッドを1・2階通して一度に造ったために建て込みが難しいという欠点がありました。そこで、パネルを一度に組み上げるのではなく1階床・1階壁・2階床・2階壁・屋根と層ごとに積み上げるように造って行く工法が登場しました。 この工法では、各階の床を作業台として壁を造った事から作業壇=プラットフォームを取って「プラットフォーム工法」と称しました。現在では、この工法が主流となり日本にも導入されたものが2x4工法と呼ばれているものです。 ちなみに、日本では1920年代に神戸に建てられた住宅が最初の2x4工法の建物と言われていますよ。 ■特徴 2x4工法は防火性・遮音性・断熱性・耐震性に優れていると言われていますね。では、その内容を見てみましょう。 ●防火性・遮音性 防火性能や遮音性が優れていると評価される秘密は、壁や天井に用いられている石膏ボードにあります。2x4工法は基本的に室内の壁や天井を全て石膏ボードで覆ってしまう大壁工法ですから、石膏ボードの持つ防火性と遮音性が良いという性質によって2x4工法の防火性能や遮音性能が確保出来ているわけです。 ●断熱性 2x4工法は縦枠に合板等を張る工法ですから、在来工法のように筋違いや火打梁などがありません。その為に比較的容易に断熱材を施工できますし、大壁造ですので結露防止に有効な防湿層を室内側全面に施工することが出来ます。これらによって断熱・防湿性能を向上させる事が出来るわけですね。さらに、室内に施工する石膏ボードは熱容量が大きいので室温の変化が安定する事も利点となりますね。 ●耐震性 2x4工法は基本的に壁や床に構造用合板等の面材を用いて剛性を確保しています。構造用合板は耐力が高い材料ですから、これに全面を覆われている事により高い耐震性が確保されているわけですね。 ■比較すると。 住宅を造るには様々な工法がありますが、同じ木造という事で2x4工法と在来軸組工法は比較される事が多いものです。では、実際の所はどうなのでしょうか? 確かに、ちょっと前までは性能的に在来軸組工法が劣っていた面もありました。しかし近年の様々な改良によって、在来軸組工法と2x4工法との性能的な差は無くなっていると言えるのではないでしょうか? ■さらに。 2x4工法は耐久性や間取りの自由性に疑問があるのでは?といった評価を受ける事もありますが、これはどうでしょうか? ●耐久性 まず問題と言われるのが外国と日本の気候風土の違いです。確かに、本国と環境が変われば耐久性にも差が生じる事は十分考えられますね。 しかし、実際に施工した建物を調査してみたところ、乾燥材を用い断熱材や防湿層をしっかり施工した建物では結露等の問題が生じていないことが報告されています。 と言うことで。いずれの工法でも同じですが、きちんと管理を行えば耐久性にも心配は無いと言えるでしょう。 ●自由性 間取りに自由性が無い、増改築が難しいといった声も聞かれますが、これはどうでしょうか?。 最初に解説しましたが、2x4工法はパネルで建物を支える「壁式構造」です。つまり、壁パネルの量が多いほど・バランス良く配置されているほど建物は強くなると言えるでしょう。そのため、厳しい基準が定められており、間取りにある程度の制限となることも確かです。さらに、増改築時に構造壁となる壁を自由に除去したり移動する事が簡単にいかない事は、ままあります。でも、考えてみてください。あまり自由性があり過ぎるのはどんなものでしょうか? 例えば。自由性を追求するあまり1・2階の壁の位置が大きく違っていたり、大きな開口部をバランスを考えずに設けたり、構造的に重要な柱を簡単に移してしまったらどうでしょうか?建物の耐力は大きく損なわれる事になってしまいますよね? 2x4工法は様々な実験を重ねることによって、合理的に構造を解析・検討する事が出来る様になっています。ですから、安全な範囲での自由性とした場合では、けっして劣っているものでは無いですね。 ■ということで。 2x4工法といいますと、単純な仕口と釘接合という簡便なイメージがありますよね。その為に簡単な工法と思われがちですが、実際に建物として構築するのには様々な知識と高度な技能が必要なのは、他の工法と同じですね。 一方、大掛かりな仮設を設けなくてもパネルの建て込みが可能という合理的な工法であったり。躯体パネルと内張りの石膏ボードを施工して床・壁・天井全てが出っ張りの無いものとなりますので、インテリア構成の自由度が高いものとなる等、十分メリットのある工法とも言えるでしょう。 もう一つ。2x4工法は階の高さや建物全体の高さを低く押さえる事が可能であり、勾配が大きい屋根とのプロポーションが美しくなることも、隠れた魅力なんですね。それではまた。 ※[月刊-住まいの情報館/2001年11月号] (C) 1994-2003 HiroshiKouno. |