インテル


 かつてインテルの広告は、広告業界でも有名な賢いやり方をしていました。それは自社発で広告するのではなく、PCメーカーの広告
の中でその存在を主張するというもの。ジャン、デデデデンというジングルとともに、唐突に「intel inside」のロゴが出てくるのを覚えてい
るでしょう?そう、あのやり方です。

 なぜそれで良かったのでしょう?

 CPU(中央処理装置)の品質って、一般の人にはほとんど分かりません。だから「インテルが入ってますよ」ぐらいの主張で良かったの
です。これはウールマークみたいなもので、「このマークがついているから品質は大丈夫です」程度のことでした。

 ところが最近になってPCが急激に普及すると、PCの機能やスペックには大差がなくなってしまいました。すると競争の構造が激変
し、カスタマイズできて、直販してくれるデルや軽くてスタイリッシュなパナソニックのLet's noteに人気が集中するようになりました。

 前者は便宜価値(思い通りのものがすぐ手に入る)、後者は感覚価値(軽くてスタイリッシュな外観がいい)が評価の対象ですから、こ
こには機能とかスペックは関係がなくなってしまったのです。

 これではいけない。やはりPCの選択基準は機能やスペックであるべきだ。きっとインテルはそう考えて、この新しいCM展開をしたの
ではないでしょうか?

 インテルは市場の9割を占めていますから、自社のためにというよりも、むしろ機能価値を選択基準に戻すために、あえて自ら広告
をし出したと考える方が正しいと思うのです。

 でも機能やスペックをクドクド説明してもやはり分からないでしょうから、インテルのマイクロプロセッサがもたらすベネフィットをメタフ
ァーで表現しています。マイクロプロセッサのベネフィット=あなたを進化させるものと定義し、それを認知させるために、このドクターに
超能力で人を浮かすことができるようにしたのでしょう。



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