NTTコミュニケーションズ


 いきなり、「ありがとう、IT さよならIT」のキャッチフレーズが出てきて、まるでITが時代遅れのように感じてしまいます。するとすかさ
ずナレーションで、効率化やコスト削減のためのITの時代が終わって、経営戦略の中心にITが位置づけられる時代が来たということ
が説明されます。

 そしてITの間に、コミュニケーションの頭文字「C」が加えられ、これからはICTの時代であり、その時代を築いていくのが「コミュニケ
ーション」を名前に持つ「NTTコミュニケーションズ」であることが知らされます。

 つまりこのTVCMは、21世紀という新しい時代において、NTTコミュニケーションズのレゾンデートル(存在意義)は何かを示すための
企業広告なのですね。

 企業広告は商品広告と違って、一見あまり目立たない、地味な印象があります。しかし、それが成功して、レゾンデートルが明確にな
った企業は枚挙にいとまがありません。

 「クルマが未来になっていく」で自社製品の未来感を醸成したトヨタ、「体内環境正常化」で健康志向を強く打ち出すことに成功したカ
ゴメなどはすぐに思いつく例です。

 さて、このように企業のレゾンデートルを明確にすると何に役立つのでしょう?

 その効果はたくさんありますが、製品に影響を及ぼすということはあまり知られていません。この理論を明らかにしたのは慶應義塾
大学の和田充夫教授。製品には4つの価値があり、その中で企業の姿勢やポリシーを感覚する観念価値が製品の購買に大きな影響
があることを指摘しています。

 今回のケースも「NTTってたくさんあって分からない」という生活者に対して、情報をコミュニケーションさせる会社がNTTコミュニケー
ションズであるということを認識させています。これによって、ITという遠い言葉が、ベネフィットとして理解されることになるのです。


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