若武者


 若武者のTVCMすごいですね。ティザーと呼ばれる予告編がドバドバ流れてると思ってたら、本編はもっとすごいことになってる。さら
に60秒CMという特殊なCMまで流れてきました。ものすごい投入量です。

 さらにびっくりなのは、それらの内容がどれも違うこと。「同じCMをたくさん流した方がいいのでは?」と思うんですけど、いったいなぜ
こんなことをしているんでしょう?

 調べてみると、アサヒ飲料は後発なんですね。緑茶市場というの「おーいお茶(伊藤園)」「生茶(キリンビバレッジ)」「伊右衛門(サントリ
ー)」の3社で80%近くのシェアをとっている市場。ここに後発で入っていくのですから、インパクトの強いことをやらなければなりません。
だから予告をあんなにたくさん投入して登場感を演出していたのです。

 また本編は若武者というネーミングと「緑茶のキレ味ここに極まる」というコンセプト、若武者に扮したオダギリジョーが画面を斬ると
いう単純な映像で構成されています。これによって消費者の「若武者って何だろう?」感はさらに募ります。

 そこへすかさず60秒CMが流れ、若き茶葉名人が国産若蒸し茶葉だけを使ったキレのある緑茶であることが分かります。ここまでき
て納得できるように作られているのです。

 ソシュールは形態と意味は不可分と言っていますから、本来は本編と60秒CMを一体化、あるいは同時に流して、イメージとその意
味性を伝えるのがセオリーです。そこをわざと形態(本編)だけを流して疑問を作り、一定の時間を置いて説明するという手法を取っ
た。これにより大きくパーセプションを変化させることを狙ったのです。

 一見別々に見えたTVCMたちは、実は同じ仲間たちであり、時間のズレを利用して、TVCM全体で目的を達成するように作られてい
たのです。



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