はじめまして


 はじめまして。「若いヤツに読ませたい小説」を担当することになりました仙台在住のIと言います。

 村山氏HPにお越しの皆さんの中には「本なんか読まないよ」などという方はいらっしゃらないと思いますが、「なんで本なんか読まな
きゃいけないの?」なんていう方が時々います。

 そういう方には「何で勉強するの?」と質問する子供に答えるのと一緒です。
 たいていの大人は、「いい学校に入るためだよ」とか「勉強しないといい大人になれないよ」だとか、「いま、勉強しておかないと後にな
ったらできないよ」などと言いがちですが、皆さんならどう答えますか?

 ある本にこう書いてありました。
 「勉強は知識を記憶するためではなくて、人生の中で挫折や、さまざまな問題を自力で乗り越えるための知恵を身に付けるためにす
るのだ」と。

 「算数の問題に正面から取り組むことによって、君は頭の訓練ができてくる。問題をあらゆる方向から眺め、光を当て、深く考え、数
式や方程式を使ってもっとも論理的な回答を探り当てる訓練は、人生をよりよく切り拓くための問題解決能力を養ってくれるだろう。」

 「歴史の勉強をすれば、人間が集団で行動する場合のあらゆるケースがあり、パターンが見えてくる。それは社会生活にも、個人に
もあてはまる。いざという時、君の考え方の指針を与えてくれないとも限らない。」

 「英語や国語の勉強では表現力が身に付く。社会での価値ある仕事の多くは、表現力と想像力が生み出してくれる。」

 そして「押さえるべきところを押さえず、つまらない偏差値競争をしていたって何の役にも立たない。勉強にはそれぞれやる価値はあ
る。ただ将来、価値を与えるのは自分自身なのだ」と結びます。分かりやすいですよね。
 
 まあ、時々こんな勉強にもなるし、なんやかや言っても本はやっぱり面白い。というより他人がなんと言おうと、自分がオモシロイと思
える本、読んでみるかと思える本を気軽に読めばいいんです。読んで全く無駄な本はありません。

 活字が苦手な方なら、最近流行りの絵本でもいい。暇つぶしには百科事典もお勧めです。なんと読み疲れたら枕にもなります。

 さて、このコラムは私が面白いと思う小説(時々映画やビデオ)を独断と偏見でご紹介するコーナーです。今日は第一回ということ
で、最近見つけた肩の凝らない「入門本」を2冊ご紹介しましょう。ただし、私が面白いと思う本が、皆さんすべてに当てはまる訳ではあ
りませんので悪しからず。

 まずは、伊坂幸太郎「重力ピエロ」 新潮社刊

 これが4作目になる作者は仙台在住で若干32才。この本はこの間の直木賞候補になりました。(選ばれたからいい とかいうつもり
はありません)

 基本的にはミステリーですが、文体はオーソドックスですっと入られます。語り口が軽妙で、何よりカッコいい。担当編集者が腰巻き
に書いていますが、「なんだ、小説まだまだいけるじゃん!」という気持ちにさせる一冊。村山氏に師事する学生なら絶対読むべし。

 これを読むと他の作品もすぐに読みたくなります。デビュー作「オーデュボンの祈り」、2作目「ラッシュライフ」(ともに新潮社)、3作目
「陽気なギャングが地球を回す」(祥伝社のNONノベル 〜これなんぞ期待せずに入った映画館で、見終わった後やったね!と拍手し
たくなるほどアタリのB級ギャング映画を見た気分にさせてくれます)どれもハズレなしです。
 
 お次は、瀬名秀明編「贈る物語」 光文社刊

 SFの入門本としては近年になく「いい」纏め方をしているアンソロジーです。
 SFというと、ちょっと引いてしまう方もいらっしゃいますが、この本は大丈夫。編者の瀬名秀明(パラサイト・イブが有名ですが、近著
「8月の博物館」が絶品)が前書きで触れていますが、SFというより「ワンダー」な、子供時代の自分に読ませたい、内外のちょっと不
思議な物語を、分かりやすく紹介してくれています。カラーの挿絵なんかも入っていて、ページをめくるのが楽しくなるし、装丁もちょっと
凝っていて贈り物としてもGoodです。

 実はこれ3部作になっていて、綾辻行人がミステリー版。宮部みゆきがホラー版の「贈る物語」を同時に出しています。どれも分かり
やすく纏められています。ちょっと気が早いですが、今年のクリスマスプレゼントはこのセット お勧めです。


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