真保裕一を読もう!


 2回目です。今回は真保 裕一(しんぼではなくしんぽ)です。
99年に「ホワイトアウト」が大ヒットし、2000年には織田裕二主演で映画化されたあの作品の作者です。

 真保は1961年東京生まれ。アニメーションディレクターを経て、'91年「連鎖」で第37回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。'96年「ホワイ
トアウト」で吉川英治文学新人賞。'97年「奪取」で日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞しています。

 この人の作品は、ミステリー仕立てが多いのですが「ホワイトアウト」のようなエンターティメントあり、ハードボイルドあり、人間ドラマ
ありと実に多彩で、何より人物描写がホントにうまい。
 綿密な取材と堅実な文体から、一人ひとりの登場人物が木目細かに静謐に描かれ、読者が感情移入しやすいのが特徴です。

 今回ご紹介したいのは、「ホワイトアウト」(この作品は文句なしのエンターティメント、2冊目に読むなら絶対コレ! 3度泣けます)ではな
く、「奇跡の人」 角川書店 `97 です。

 主人公は31歳の相馬克己。交通事故で一度は脳死と判定されながらも命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれてい
る。
 彼は、事故以前の記憶を全く失っていた。
 8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家に一人帰った克己は、消えた過去を捜す旅へと出る。そこで待ち受けてい
たのは残酷な事実だった。

 自分探しの旅の中で、彼はあることに固執します。既に彼に感情移入し共感していた読者が、なぜそこまでするんだ? と裏切られた
気分になりつつも、1ページまた1ページとめくる手が止まりません。そして驚愕のラスト。
 これを読み終わった後の顔を鏡で見ないほうがいいでしょう。泪でぐちゃぐちゃになっているはずです。

 真保裕一は、間違いなく平成を代表するページターナーと言えるでしょう。村山氏も絶賛の「奇跡の人」、これからの季節に是非お薦
めです。

 蛇足ですが、この本を元にオリジナルストーリーでテレビドラマ(`98日本テレビ)も作られました。主演は山崎まさよし。内容は全く別
物ですが、キャラはイメージ合ってるかも・・・。

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