乱歩賞を読め


 さて、皆さんは『江戸川乱歩』はご存知ですよね。
 そう、あの名探偵 明智小五郎の生みの親。日本の探偵小説の祖といえる人です。

 ご存知の方も多いでしょうが、この名前はエドガー・アラン・ポーからとったもの。ポーは1809年アメリカ生まれ。「モルグ街の殺人」は
あまりにも有名です。

 なぜ、こんな話をしているかというと、私の読書のルーツが乱歩だからです。
 我々の世代の本好きならだれもが読んだ「少年探偵団」シリーズ(ポプラ社)。明智小五郎と怪人二十面相の華麗な戦い。小林少年
と少年探偵団の活躍に胸を躍らせ、ページを一枚一枚めくるのがもどかしい程、朝からは晩まで何度も何度も読んでいました。

 乱歩、海野十三、高木彬光など、日本の探偵小説、推理小説の黎明期にこの“素晴らしい世界”に出会えたことが、その後の自分
の価値観や表現力に、大きな影響を与えています。

 前置きが長くなりましたが、乱歩は日本のミステリー界にもちろん大きな影響を与え、いまも「江戸川乱歩賞」という形で受け継がれ
ています。
 今年で49回を数える乱歩賞は、1954年、故江戸川乱歩が還暦記念として日本探偵作家クラブに寄付した百万円を基金として創立さ
れたもので、受賞者には西村京太郎、森村誠一、和久峻三、栗本薫、東野圭吾など、現代のミステリー界を代表する作家が名を連ね
ています。(前回ご紹介した新保裕一も第37回平成3年に「連鎖」で受賞しています。)

 さて、今回ご紹介したいのが今年の受賞作「マッチメイク」講談社 刊
 作者の不知火京介氏。1967年生まれというからまだ36才。プロレスミステリーという、少々、奇をてらったとも思える題材で新風を吹
き込みました。

 私は実はプロレスが嫌いだったのですが、読後にどこかでプロレス中継をやっていないかとテレビ欄を探してしまった程。躍動感も
あり、人物描写もしっかりしていて何より爽快。
秋の夜長にお勧めの一冊です。

 へえ、乱歩賞っておもしろそうじゃん と思ったら、受賞作を追ってみるとまた幅が広がりますよ。

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