☆☆ 真 南 風 ☆☆

 写真集”真南風” 9月中旬全国発売予定

                         沖縄の消えゆく光景・・・・人々の何気ない暮らし・・・・

スージグァー(裏道)を歩くと垣根やブロック塀の合間から、ふ〜と潮風の抜けるような気配を感じることがある。
 家々の庭先にあるヒンプンをさらに進むと、分厚いセメントでできた井戸や水瓶があり、かつての生活の痕跡を伝える。
金バケツやブリキの如雨露がいまだに使われていて、どこか懐かしい光景を目にする。家へのあがり戸は開け放たれたままで、
声をかけても誰もいないことはしばしば。ふと「なんくるないさ〜」(なんとかなるよ)と、おば〜達の交わす言葉が空耳となってキビの穂風にかき消される沖縄。
 2003年8月沖縄にもモノレールが走り、確実に画一化されていく世情の波に、こうした沖縄独特な文化もやがて一掃されるであろう。無造作に置かれた様々
な日常道具や何気なく目にするフォルムが、生きてることの緊張と安堵、喜楽と苦渋の生活感を物語っていることに気づいた昨今。便利さの引き替えに捨て
ていく大切なものを、叙情詩のごとく撮り続ける。


2004年4月27日〜5月3日 まで 新宿ニコンサロンにて写真展”真南風”を開催
その時の様子です。