「ワーンワーン!」
「おや、だれかが泣いているぞ、よしいって笑わせて
あげよう」
どうやら笑いキノコ君は泣いている子を見つけた
ようです。
「どうしたんだいぼうや、何か悲しいことでもあった
のかい?」
泣いているのは小さな男の子のようです。
「今日はどうぶつえんにいくはずだったのに、お父さん
のおしごとがいそがしくっていけなくなっちゃったんだ
よう、ワーン」
笑いキノコ君は、少し考えてからいいました。
「そっか、それで悲しんだね、それじゃあぼくが、
どうぶつのまねをしてあげよう」
笑いキノコ君はライオンやゾウ、ゴリラなどのまね
をしてあげました。それを見ていた男の子のかおは、
やがてニコニコになり、おなかをかかえて笑いだし
ました。
「アハハハ、そっくりだよキノコ君、とても楽しくなった
よ、ありがとう」
「それはよかった、ほら空を見てごらん、カラスやスズ
メがとんでいるだろ、じめんを見てごらん、ありが
いっしょうけんめいにえさをはこんでいるね。そうだよ、
どうぶつはどうぶつえんにだけいるんじゃない、ぼくらが
今いるこのばしょにもたくさんいるんだ、それにきみ
だってどうぶつさ、つまりちきゅうそのものがどうぶつ
えんなんだ!だからここもどうぶつえん、どんなどうぶつ
に会えるのか、さがしてごらんよ