はるばるネパールくんだり迄やって来たのに、高山病でリタイア―なんて事になったらガックリですね。
それを乗り越えて5500mに達してヤット素晴らしい光景にお目にかかれるのです。だから高山病には物凄く興味がありました。皆もそうだったと思います。これから行こうとしている人も関心があるでしょうね。
4000mを越えると誰でも、個人差はあるが高山病には罹るそうですね。それをその高度・低空気圧・低酸素の状態に体を順化させていく必要が有るんだそうです。ツアーを催行する旅行社も、この辺には色々と工夫をしてくれているようです。
出発前の健康診断
「3300m以上の高所に宿泊するツアーに参加の方は、当社所定の健康診断を受けていただきます」とは、旅行社のコメント。
大金10500円を支払って、オッカナビックリ受診をしました。所がなんのことは無い「低所における検査上、特に異常は認められません」のコメントだけ。どこにも「高山病にはなりません」とは書いて有りませんでした。残念!
高山病?
私は日本の山でも3000m近くになると軽い頭痛を覚えます。
今回もパクディン2610m,ナムチェ3440m,タンボチェ3860m、ディンボチェ4410m、ロブチェ4910mのいずれの宿泊地でも軽い頭痛がしました。これが決まって「テントの中でおとなしく荷物の整理をしているとき」なんですね。歩いている時は痛みがありません。やっぱり呼吸数が少なくなっているんでしょうか。意識して深呼吸をすると、痛みが軽くなります。
鎮痛剤の服用ですが、頭痛で寝られなくて疲れを残すよりはと考えて、寝る前に一度服用しました。でも何か影響があるみたいです。これに付いては、後述します。
高山病の予知
高山病の予兆を早く捕らえて対処し様と言うことで、ナムチェバザール(3440m)到着以降、毎日の夕食前に「血中酸素飽和濃度」とか言うものの測定が行われました。
高山病は「血中酸素飽和濃度」を見ていくことで、ある程度わかるそうです。指をパックリとくわえ込む、ワニグチみたいな測定器「パルスオキシメーター」で人差し指を挟みます。どうした仕組みかは分かりませんが、それで「血中酸素飽和濃度と脈拍数」が測定できるのだそうです。この測定結果を見て安心したり、心配したり、「一喜一憂」です。血中酸素飽和濃度が80%を切ると「要注意」で、対策が必要とされます。
高山病でダウンした人は、60%からそれ以下の値になっているとの事ですちなみに平地での濃度は、96〜98%程度との事です。参考の為に若いシェルパの測定結果は、標高4350m地点で血中飽和酸素濃度=90%、脈拍数=65回でした。
次に私の測定結果を書いて見ます。
標高(m) |
脈拍数(回) |
血中酸素飽和濃度% |
健康診断時 |
65 |
測定せず |
3450 |
105 |
85 |
*3450 |
98 |
84 |
3860 |
95 |
86 |
*3860 |
96 |
86 |
4350 |
90 |
83 |
*4350 |
96 |
87 |
4930 |
86 |
77 |
*印は高度順化の為に同じ所に滞在している。 |
脈拍数がベラボ―に高いですねー。皆さんはこんなに高くなかったみたいです。良い事なのか、悪い事なのか分かりません。最終回、ロブチェでの値が脈拍数も、血中酸素飽和濃度もガクンと下がっています。80%を切った、さあ大変だ!!
実は夕食前に時間潰しをかねて仮眠を取りました。その時ここまで来たらもう大丈夫と思い、前述した頭痛対策として鎮痛剤を服用したのです。精神安定効果があり、呼吸数が低下し、酸素の供給が低下するのでしょうか?
オシッコを沢山しろ!!
オシッコをすると新陳代謝が促進され(新陳代謝が促進されるからオシッコが出るのかな)、血中酸素飽和濃度が改善されるそうです。だから「水を沢山飲め。そしてオシッコをしろ」となります。
究極の対策が、「利尿剤を飲んで、強制的にオシッコを出す」です。測定検査が夕食前ですね、だから利尿剤を飲むのは夕食後・つまり寝る前です。オシッコが出てくるのは真夜中です。暖かいシュラフから抜け出て、寒いトイレに!中々勇気が要ります。
でも良い事もありました。物凄い冬の星空が眺められました。50年も前、子供の頃に見たあの澄んだ星空でした。
トイレに起きる回数は、大体5〜6回程度のようです。
本当かどうか知りませんが、誰かが言っていました。高度1000mで水を1リッター飲めと。5000mなら5リッター!!これは一寸無理としても、、スープを一杯余分にとか、茶店でホットレモンとか、出来る限り水分は補給をしました。
高度に慣れろ
ロブチェ4930mからカラパタールに向かう時の事です。私達に早い軽食を食べさせ、後片付けを終えたキッチンボーイ達は先行してゴラクシェプで私達の朝食を準備するために、早朝の暗い中を荷物を背負って、ランプも無しに走りながら私達を負い越していきました。流石ですねー、慣れる事は凄いです。ちなみにこのときの朝食は8時、”お粥”と”ぜんざい”でした。 ナムチェバザール、タンボチェ、ディンボチェでは、夫々1日滞在(2泊する事に成る)をして高所順化に当てられました。この日は、つぎに宿泊をする地点と同じ標高のところ迄お出かけをします。効果はありますね。この日は私の頭痛も治ります。 通常の日は、1日かけて高度を500mほど上げていきます。ところが高度順化の日は「お出かけ」と言っても、半日で同じ位かそれ以上の高度を稼ぎ、そして降りてきまます。だから結構きついですね。「少しきついくらいにしないと、効果がありません」とは、ツアーリーダーの内緒話です。
高所順化の登行と言っても舞台が舞台です、500mも高度を上げると、実に素晴らしい風景が眼前に広がります。
ナムチェではエベレストビューホテルまで足を伸ばしました。そこでは、平山画伯が薬師寺の玄奘三蔵院の壁画に描いたのと全く同じ風景、”須弥山”の世界が広がっていました。
タンボチェでは、東の尾根のピークに登りました。背後には氷を纏った”カンテガ”、対岸には聖なる山”クンビラ”のゴツゴツした岩山、眼下にはタンボチェゴンパが、夫々タルチョーがはためく向こうに見えました。
ディンボチェでは、西側の尾根に登りました。イムジャコーラ沿いの”ヒマラヤヒダの美しいカレンヤムー”を見たときには、思わず感嘆の声が出ました。「ヒマラヤの山だ!!」と思った瞬間でした。 高山病には
誰でも皆、罹っているんではないでしょうか?ただその時に、風邪を引いているとか、下痢になったとか、体調を崩してしまうと辛さが増すのではないでしょうか。
14日間も歩き続けることは余り有りません。だからそれなりに、歩く力も付けました。整腸剤も前もって服用して、下痢対策もしました。それでも、オッカナビックリ、現地では腹八分目、夜は水筒を利用した即席ユタンポで暖かくして寝ました。そのおかげ??元気に帰ってくる事が出来ました。
ヤセでチビは、高山病には罹りにくいとか・・・*1。
ちなみにその時の私は、165cm・56kgでした。 *1::でも分からないですよ。私の友人でスリムで小柄な女性がラサに行った時、高山病で寝込んでいたもの。7日間のツアーで4日ダウンしたそうです。彼女の場合四川省の成都から飛行機で行ったから、体が追い付かなかったのだろう。
ちなみにこのツアーの出発地点カトマンズは、1600m位だったはず。
(cocotinoコメント)
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