実を言いますと、奥さんとレンタカーでの東北巡りだったのでした。
遊んでばかり居ると思われるのもねー。いつかこの体験が仕事にも生きるかも
しれないので、えーい、自己費用による研修だー。
例によって、格安パックにカミさんが飛びついて、運転手として雇われたわけです。
やらなければならない仕事もあるのに、エイヤッ休暇を取り列車に飛び乗ったわけで、
仙台まで新幹線。そこからレンタカー。
3年前に行った白神山地を巡るツアーは、とても俗っぽくて、とても世界遺産として
誇れるものでは無かったのでした。
カミさんは、青森出身の美容師にから、白神山地の周辺にもっと素晴らしい
場所がある、と聞きこみ、どうしても行きたくなったらしい。
1日目、青森県の日本海側にある十二湖。車を降りて10分ほど歩くと、なんとも
美しい池がありました。
午後8時過ぎに、旧名、鰺ヶ沢プリンスホテル着。PHSも通じない。当然LANなどあり
ません。スキー客用の部屋である。
夕食は、買ってきたお弁当を部屋でパクつく。
2日目、
ミニ白神にいく。ここは営林署みたいな組織が入山の制限をしている。
首から入山許可の札をぶら下げて森の中に入る。
普通のツアーで行くコースとは比べものにならない場所である。
これぞ白神、世界遺産と思えるほど。大自然の真ん中に入った気がする。
そこから津軽半島日本海側を北上。北海道並みに真っ直ぐ伸びた広域農道を、
高速道路並みの早さで走る。対向車には全く遭遇せず。
十三湖があった。シジミが取れるらしい。
竜飛岬着。非常に風が強い。遠くに北海道がうっすらと見えた。
「津軽海峡冬景色の碑」がある。大きな碑の真ん中にソフトボールを半分にしたような
赤いスイッチがある。押すと、石川さゆりの歌が流れる。
灯台のヨコの店で竜飛ラーメンを食べる。三厩に上がった魚介類がたっぷり入って
いる。ラーメンをほとんど食べないカミさんも喜んだ。
三厩から津軽平野の真ん中、金木にある太宰治記念館「斜陽館」にいく。
運転に疲れた私はビデオの前でうたた寝しようとしたが、そのビデオは、
なかなかよかったのでしっかり見ました。
それと、太宰治の本は知らないのですが、「斜陽」は読んだ気がする。
それには、たしか、女性が立ちションをする場面があったと思う。
庭を見て、あそこで立ちションしたのかな、なんて感慨にふける。
貴族の大らかさを感じたものでした。
その斜陽館の駐車場のヨコに津軽三味線の会館がある。
調子の良い津軽三味線の音色がうっすらと聞こえる。
ここは津軽だな、なんて思う。
岩木山を遠くに望みながら盛岡へと向かう。
この岩木山だが、津軽平野のどこからでも望める。まるで富士山のようだ。
八時過ぎに雫石プリンスホテル着。
昨日も今日もホテル到着が夜だが、道に迷うことなく到着できた。
カーナビをとてもありがたく思った。
カーナビがない時代では、人里離れた地にあるホテルに向かうので、道に迷ったか
不安で一杯だっただろう。真っ暗な中、地図を見るのも、周りの風景が解らず
苦労しただろう。
三日目、盛岡の駅に行く。
そこから、岩手県の早池峰山の麓にある「早池峰神社」に向かう。
左右から樹木が道に覆い被さるようになった、昼間でも夜のような山道を登る。
早池峰神社は創建千二百年で大きな神社だったが、誰もいない。
激しく拍子抜け。
次は山道を回避して、遠回りだがやや広い道を走り遠野に向かう。
遠野は盆地であった。広々とした水田が山に囲まれている。
とても美しい景色である。オーストリアのシュルンスという所に行ったことが
あるが、ちょっとそれを思わせる。日本でも良い景色があると思った。
南部曲がり屋などを見学。馬と一緒に生活していたのがわかり興味深い。
仙台に戻り午後八時の出発の新幹線で帰途につきましした。
新幹線の中でビールで乾杯。
カミさんは、体が動く内に南米のマチュピチュに行きたい、なんて静かに語って
いました。
私は、俺も行くよ、なんて言わないようにしていました。
3日間運転手は私ひとり。カミさんだって免許は持っているのにー。走行距離1160Km。
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