流氷見学、2001年3月


3月10日(土)昨日が娘の中学校卒業式、卒業記念と高校入学祝いをかねて紋別に流氷を見に行くことになりました。
いつもの通り出かけは大騒ぎ。のろのろと支度をしている母娘にしびれを切らした私は、電車に乗り遅れるからと先に家を出る。
でも私も出かけにあわててセーターを間違えて薄手の物を着てきてしまった。駅のホームでかみさんに指摘されて、行く手に暗雲が。

羽田空港の団体受付窓口はかっての上野駅みたいな喧噪。
搭乗のための手荷物検査に私の荷物が引っかかった。
簡易工具が原因であった。たいして危険とは思われない工具だがその厳重さに驚くとともにその航空会社に安心感を覚えた。ハイジャックなんていやですからね。


搭乗待合室で、紋別、ー13度の表示に一同仰天。これから冷凍庫の中に行くかと思うと急に寒気がしてきて、アンダーシャツが売っていないかと売店をうろうろ。こんななところに衣料品店があるわけがない。
あー、それにつけても一つとなりの沖縄行きの表示は19度。
防寒の装備が貧弱である。困ったことだ。

この航路の料金をインターネットで調べたのだが、片道36000円。こんどのツアーはこの料金以内で飛行機往復、カニの夕食、バス観光つきである。

11:00羽田発 エアーニッポン801便 ボーイング737−500は定刻に離陸 座席は窓際。
天気は上々で、飛び上がったとたん、船橋のザウスが見えた。
後楽園、千住、野田が確認できた。

1時間ほどで海から陸に移った。北海道である。
日高山脈のスキー場にトマムタワーが見えた。
十勝岳だろうの向こう側は富良野だろう。
大雪山らしい山は山の高い部分に平らなところがあり雪が多い。
その向こうに旭川。ずっと向こうは増毛山地だろう。
その横が留萌か。大雪山の横に深い渓谷。これは層雲峡に違いない。

窓外の景色に夢中になっているうちに機は流氷の上を飛んでいる。
海から陸に旋回してオホーツク紋別空港に着陸。
空港の車の排気ガスが見える。あー冷凍庫だー。

外にでたら、吐く息が白く見える。
頬を冷気が突き刺す。それでもしばらくしていると慣れてくる感じに安心。外にいる時間はわずかなので、耐えられないほどの寒さではない。安心した。

まずバスでアザラシがいる公園にいき、砕氷観光船ガリンコ号に乗る。
流氷は近年まれにみる量が押し寄せているとか。でも4日前には全く流氷が無くガリンコ号は欠航だったとか。我々はラッキーであった。
おまけに流氷の上には野生のアザラシが寝ていた。あとでバスガイドも今まで野生のあざらしなんて見たこと無いと言っていた。
流氷の上にはオジロワシもいた。


船長は観光客へのサービスか、大きな流氷に向かって船を進める。ガリンと音がして船が傾くように揺れる。残念ながらその氷は砕くことができずほかに向かう。

ガリンコ号は25メートルプールより少し全長が長く、横幅は10メートルよりも小さい。船首にの左右に氷を砕くために、床屋のあのくるくる回る目印みたいな、木ねじのお化けみたいな物がついている。

ガリンコ号に乗り込むときは皆さん寒いので暖かい船内に入り座席を確保しようとする。ところが出航して氷を割り始めると甲板に鈴なりとなります。風が冷たいけれども、目の前に繰り広げられる光景はそれに勝る物です。

大きな氷の固まりが船に割られてもんどり打つように回転します。氷の下の海がわき上がってきます。遠くの方に氷が層を成して待ちかまえています。それに臆する風もなく進んでいきます。いやー壮観だなー。
来てよかった。見て良かった。ふと世界3大がっかりなんて言葉が浮かんできた。土佐の播磨屋橋はこれはがっかりだ。でも目の前の流氷はこれはがっかりではない。

ガリンコ号の後は流氷タワーの見学。展望室から流氷がよく見えた。
流氷タワーからバスに戻るとき、5分ぐらい外を歩いた。バスに入っても寒さで身震いが止まらなかった。夕方になり気温が下がっているのだろう。零下20度以下かな、なんて勝手に思っている。

バスで今日の夕食場所に向かう。その道すがら9年前に家族でカニを食べた店を探す。あった。以前と同じたたずまいだった。
カニしゃぶは初めて食べるが、なかなか美味であった。


夕食後海岸にでる。雪を握ってみたが、雪玉ができない。雪がさらさらしている。北海道の雪を経験するのは初めてだ。

 サロマ湖畔のサロマ湖温泉ホテル緑館泊

11日、天気は最高で、ホテルの展望室からサロマ湖はよく見た。湖面は結氷していた。
バスで大山に向かう。大山のタワーからの景色はインターネットノライブカメラと似ている。何処はスキーリフトの終点でもある。
バスで山を下るときスキーヤーの一団と遭遇したが、手を振ってくれた。バスのツアー客も大喜び。私もなんだかとても嬉しくなってしまった。


次は実際に流氷がうち寄せている浜に行き、流氷にふれることができた。
流氷の上に乗ってみたが、割れたら大変と怖くなってすぐに止めた。
天気は上々、生きていて良かったと思えるくらいの素晴らしい光景、体験であった。


大きなバスが横付けできる割には小さな海産物店に行く。
あまり観光客には慣れていないような感じに店で、入り口で蟹の試食をさせてくれていた。
昨日食べた蟹より旨いとみんな喜んでいた。私も1本貰って食べていたら、中から揚げたてのイカをカミさんが持ってきた。美味であった。
店に入ったらセルフサービスで蟹汁飲めるようになっている。私は10杯ぐらい好きなだけ楽しんだ。
外に出たらまだ蟹を試食している。これも好きなだけ楽しんだ。
その内にどさっさりと土産物を持ったカミさんが現れた。


ボーイング737で紋別からあっという間に千歳空港。
3時30分にボーイング747−400は離陸し夕方には船橋の家です。
北海道はこんなに近い、そんな実感でした。

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