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2004年8月。 今年の夏は定番の八丈よりちょっと、もとい、かなり先まで足を伸ばし小笠原へ。 東京・竹芝桟橋から『おが丸』と親しみ呼ばれている『おがさわら丸』に乗ってどんぶらこ。25時間先の未知の世界へ。 |
8月13日の金曜日 ![]()
朝、6時20分。大きな荷物を引きずりながら電車に揺られ竹芝桟橋を目指す。 腕に血流が戻った。エレベータを探し改札を抜け、さらにエレベータで竹芝ターミナルへ。約10分くらいの遅れで今回の旅のお仲間と合流。休むまもなく、乗船名簿に記入し、足元をビーサンに履き替え、荷物をチッキへ。乗船開始時間までにはまた40分くらいある。船酔いが心配な人が多いため、なるたけ上部デッキに陣取れるよう、早めに並んでみた。買い忘れたものを調達するため、交代で場を離れる。なんとしたことか。すっかり忘れていた。もう40分経っている。急いで戻ると、乗船の乗客列から取り残された 悲しい荷物。 とほほ、前途多難?! 最後ではないけど、どちらかといえば最後の方で乗船となり、Eデッキ船首部へ。一番下の階層の割には、灯りが多く、圧迫感もない。確かに個人スペースにはゆとりはまったくないが、『狭くてやってらんないわよっ』てな感じではない。とりあえず25時間なら大丈夫だろう。
Eデッキへ戻ると、今回のメンバー残り7名全員寝ころんでいる。朝が早かったせいなのか、酔い止めを飲んだせいなのか、みんな眠いらしい。私は眠くないし、つまらないので、氷結に走った。 午前中から呑むなんてめったに無い。 午後1時近くなったところで、船内レストランでランチ。ピザとビール。見本の写真と違うピザが出てきた。こういうところではそうだろうという値段と味だが、とりあえずおなかは満たされる量ではあった。 若干1名は船酔いで既にダウン。船内のTVでは「ラストサムライ」が放映されているが、どうも船の雰囲気には合わないし、非小奇麗なTomはあまり好きではない。仲良くなる小雪も気に入らない。タイタニックでもやってくれるほうが臨場感があっていいのになぁ。
22時。室内の電気が消え、非常灯のみ。仕方ないので寝ることにした。いい感じにうとうとしてくると、頭の上のほうから、例によって例のサウンドが聞こえてくる。そう私の向かいでご就寝されているのはT氏。しかし、どうもおかしい。起き上がって薄暗い明かりのなか観察してみると、T氏の隣には見ず知らずの男性。どうやらを二重奏を奏でている。音声多重ドルビーサラウンドでござる。こりゃあ参った。なるべく気にしないように、船の振動やエンジン音を聞くように心がけるが、いいところで大合奏になり眠りに落ちることができない。。。そして6時になり明かりがついた。もうだめだ。
8月14日(土) 野菜ジュースを買って、外部デッキに出た。ベンチが空いていたのでそこでしばらくボーっとする。まだ海だけ。何も見えない。でも彼がいた。昨夕の青年。 7時過ぎ、船内レストランがオープン。外部デッキから入れる船尾にあるスナックコーナーでカウンターに寄りかかりながらコーヒーを飲んでいると、彼が来た。朝から焼きおにぎりと焼きそばを注文。船内の席は埋まっていてなかなか空きそうもない。外部の椅子に陣取ってはみたが風が強くて焼きそばが飛びそばになってしまう。敢え無く数秒で船内に戻ってきて私の隣で朝食を再開していた。ちょっとなごり惜しかったが、彼を残してEデッキへ戻った。まだみんな動きそうにない。でも朝ごはん行こう!と声をかけたら順次起き上がった。
おが丸お見送りのため港に戻る。汽笛が鳴る中、大勢の人が岸から、海から手を振っている。船上の人々も甲板に所狭しと群がり手を振っている。なんかとても不思議な光景。だって手を振り合っている人のほとんどは知らない人に振っているんだもん。どうもこういうのは不得手なので、臨場感を通り越してとても客観的になってしまう。ああ、こうして私も帰るんだと、たどり着いたばかりなのにもう帰る事を考えてしまった。
おが丸に別れを告げながら、2本目のポイントへ。
さくっと2本目を終了し、夕食の前に買出し。早くしないとお店が閉まってしまう。民宿の夕食はもちろんお魚がメインディッシュ。お刺身あり、焼き物あり、蒸し物ありでヘルシーなのにボリュームは満点。 夕食後、オリンピックを見たり、ログをつけたり。 ![]()
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8月15日(日)![]()
昨夜スコールのような雨が降っていた。雨はやんでいるがやっぱり雲が多い。
ウメイロやグルクンの群れに大物出現が期待できるらしい。群れてるけどバラバラに泳いでいてのどかな感じ。大物でそうにないなぁ・・・・ みんなが岩陰や下のほうで別の魚を追っている様子が見える。昨夜の寝不足に加えて、セカンドが自分のものではないせいか、どうも落ち着かず、少し中層でグルクンのバラ群れを眺め、「出ないかなー」と叫んでみる。 応えてくれた。あお〜い世界になにやら動く銀色の物体。 ![]() お昼の停泊時にポツポツ雨が降ってきたと思ったら、スコール。メゲずにカッパを羽織ってデッキチェアーでお昼寝・・・してたけど、雨の音がうるさく、肌寒く、熟睡はできなかった。2本目のポイントへ移動すると雨雲からすり抜けたようで時折晴れ間。
![]() セカンドをTさんがオクトにしているオメガと交換してもらい、バッチリとはいかないまでも、少し良くなった。
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8月16日(月)![]() ![]() 今日はケータにチャレンジする日になっていた。でもこの風。やっぱりダメだった。
1本目ピグミーのいるウミウチワを目指す。最初にピグミーを見るはずが、なかなかウミウチワが出てこない。どうやらルートが違った様子。そもそも私たちみんながピグミーに興味が無いはずなので、あえて探さず、目的を変えた模様。
必死で泳いでついてゆく。暑い、汗をかいているのがわかる。やっと根にたどり着いた。少し休めると思ったのもつかの間。別グループが近づいてきたため、さらに左側の根に移る。その間の小さい岩に小さいウミウチワ。どうやらここにピグミーがいるようだが、残60を切っている。もう見なくていい。先に見ているグループがなかなか去らないので、やっぱり見ずに中層漂流に戻る。マンタが出たらしい。わからなかった。安全停止でようやく呼吸が落ち着き、Exit。へとへとの1本であった。いったい何のトレーニングだったのか?体育会系の1本だった。結局見たのはトビエイだけ。マンタを見損なったのは私だけだと思っていたが、どうやら見たのはTさんだけ。K山さんはなんとなく。S井さんは勘違い。 他の人はみんな見ていないので、幻ということにしておく。 ![]() エントリー直前に水面にカメ出現!急いでエントリーしてカメと共に潜降。そして前方の根近くに巨大なクエ。よーく見るとその後ろにホワイトチップ!やったぁ!ようやくサメ登場。他の人に合図をしてお互いニンマリ。
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8月17日(火) ![]() すこぶる良い天気。今日はもう帰るのだ。最後の1本を潜る。
![]() 民宿に戻り、器材を洗い、帰り支度に忙しい。 |
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そして、なぜかみんなピンピンしている。往路のメンバーとは違うかのように。数日船に乗り続けたお蔭で慣れたのだろうか。呑みながら、島寿司をたべながらのMatrixU&V鑑賞。 満足して船室にもどる。既に電気がついてしまったことを伝えたらがっかりしていた。夕食後に楽しもうと思っていたようだ。ロマンよりごはんを選択したS井さん、残念!そしてすぐに気を取り直してごはんに向かうのであった。。。 食後はUNOで盛り上がる。消灯してもしばらくがんばった。公式ルールに則り点数を計算していたのに、結局間-点を含めて計算していたので、誰も上がりの250点に到達せず終了。 復路のほうが少し揺れが大きい気がしたが、台風の影響もなく、夜が明け、予定時刻より少々早く竹芝桟橋接岸。こうして都内で過ごした短い夏休みは幕を閉じた。 |
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おしまい。 |