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● リウマチ最前線<No.7> ●

- 最新の人工ひざ関節置換手術 -
チーム結成し技術向上へ



整形外科の専門医が大学や病院の垣根を越えて医療チームを結成し、人工ひざ関節置換手術の技術向上に取り組んでいる。
チームの名前は「teamQOLA(チームコーラ)」。
患者第一主義をモットーに患者の生活の質(QOL)向上を最大のテーマとしたスペシャリスト集団だ。

チームを結成したのは、松本秀男慶応大医学部助教授、高井信朗帝京大医学部教授、津村弘大分大学医学部助教授、王寺亨弘福岡整形外科病院副院長の四人の整形外科専門医。
取り組むのは、小さな皮膚切開による人工ひざ関節置換手術(MISTKA)で、従来の手術に比べて切開する皮膚の長さを半分以下にするのが目標という。

人間にとって、生活の基本である歩くという動作に最も重要な役割をしているのがひざの関節だが、関節リウマチや変形性ひざ関節症などによって構造が破壊されてしまうことがある。

このひざ関節を根本的に作り直すのが人工ひざ関節置換手術。
日本では、年間3万7000人がこの手術を受けており、50代から70代の女性が多いという特徴がある。
従来の方法は、ひざの上から下にかけて20〜25センチ皮膚を切開、筋肉や組織などを切り開いてひざを露出させ、人工のひざ関節に置き換えていく。
これに対して、MISTKAの切開は、7〜10センチ、特殊な器具で傷口を開きながら人工のひざ関節に置き換えていく。
「傷口が小さい分、治りも早く、患者のQOLも向上する」と松本助教授。

MISTKAは傷口が小さいため、高度な医療技術や特殊な医療器具が必要。
状態によっては実施できない場合があるが、ひざの上部にある大腿四頭筋にメスを入れないので、筋肉への損傷が少なく、入院日数も従来の半分以下に短縮が可能だ。
手術による出血や痛みの軽減、感染リスクの軽減にもつながるという。

昨年末から25例のMISTKAを手掛けている松本助教授は、
「最初は手術時間が従来の倍の2時間がかかったが、今はそれほど変わらない。ひざを早く動かせるようになるし、入院期間も短くて済む。できるだけ早く日常生活に復帰できるようにしたい。」と強調している。

4人の専門医はメールの交換の他、学会の会期中にデータを持ち寄るなどしてMISTKAの技術の向上に取り組んでおり、米国、欧州などが共同で全世界的に進めているMISTKAの開発プロジェクトにも参加し、器具の開発などを進めている。



〜 山陽新聞(2004.10.16)記事より 〜


 <管理人のコメント>
チームの名前は「teamQOLA(チームコーラ)」。
一瞬、某炭酸飲料が頭に浮かぶこのネーミングに少々驚いてしまったけれど、その由来を知って期待が膨らみました。
私自身、現在は自分の関節で日常生活をおくっていますが、リウマチである限り、人工関節≠ヘ、他人事とは思えません。
人工関節にするかどうかの決断は、もの凄いエネルギーを伴うはず...だから、少しでもリスクが軽減されれば、精神的にも楽になるはずですよね?
MISTKAがもっと一般的になり、手術をすることができる先生がどんどん増えることを期待したいと思います。