第 76 回テレコム技術情報セミナー http://www.scat.or.jp/seminar/seminar.htm
「究極の小形アンテナは実現可能か?」と「辞書や文法規則が不要な音声認識方式
とその応用システムの開発」
1.
日時:平成 21 年 1 月 29 日(木) 13 時 30 分〜 16 時 30 分
2. 場所:コクヨホール2F(JR品川駅港南口 徒歩2分)
3.
プログラム
(1) 講 演1( 13 時 35 分 〜 14 時 55 分) 「究極の小形アンテナは実現可能か?」
横浜国立大学大学院 知的構造の創生部門 教授 新井 宏之 氏
(要旨)無線通信の歴史は機器の小形化の歴史である。通信機器がアクティブ素子
の集積化やパッシブ素子のチップ化によって大幅に小形化される中で、
アンテナの小形化が十分はかられていないのが現状である。マルコーニの
接地アンテナから始まり,現在の携帯電話やRFID等に使われるアンテナまで、
無線通信は常にアンテナの小形化を必要としている。
一方、アンテナの小形化はアンテナの性能を劣化させることは否めない。
しかし、今後のワイヤレスシステムとしてのボディエリアネットワークや
センサーネットワーク、さらに,次世代移動体通信システムにはさらなる
アンテナの小形化が求められている。
小形化と高性能化という両立が困難な課題を如何にして克服して新たな
小形アンテナを実現させるのか、本講演では当研究室で開発してきた
小形アンテナの実例を示しながら具体的に解説し、将来の小形アンテナを
展望する。
(2) 講 演2( 15 時 10 分 〜 16 時 30 分)
「辞書や文法規則が不要な音声認識方式とその応用システムの開発」
筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 教授 田中 和世 氏
(要旨)現行の音声認識システムにおける基本要素技術として、言語音声を
表記する記号(音声記号など)を確率モデルで表現する技術(音響モデル)、
および音声言語文法を確率統計モデルで表す技術(統計言語モデル)の2つが
ある。これらの技術はいずれも大量の実在サンプルからそのモデルの
パラメータを学習することが必要で、性能を上げるためには使用環境に
チューニングしたサンプルデータを必要とする。大量のサンプルデータが
ないと認識精度は著しく落ちる。したがって、新たに出現する新語
(例えば人名や病名)などに対処するには常時更新が必要である。
実用上は、そのメンテナンスが製品化コストとして見合うものか、
という問題が生じる。
音声認識システムをより軽いシステムとして構築するには、
こうした負荷ができるだけ少ない、すなわち認識語彙(辞書)や文法上の
制約が不要な認識技術を開発する必要がある。本講演では、こうした目的に
沿った音声認識方式の開発とその応用として「語彙や文法に依存しない
マルチメディア音声検索システム」について紹介する。
また、JEITA(電子情報技術産業協会)の活動として行われている音声認識
や音声合成の実用化に当たって問題となる技術の規格化についても紹介する。
所感:会場、テキストも良く、興味ある話が聞けた。
携帯の小形アンテナは実現できる。但し超小形にすると帯域が狭くなり、損失が大きくなって
しまうので基地局の送信電力をアップ出来れば実現出来るとの結論でした。