ITU−R(無線通信)研究会

 

主査 橋本 明
幹事 久保田 俊行

テーマ

超広帯域(UWB)ワイヤレス技術の動向

講 師

小林 岳彦 氏

東京電機大学 工学部 情報通信工学科 教授

日 時

10月21日(金)14時〜16時

場 所

(財)日本ITU協会 会議室

概 要

超広帯域(ultra wideband: UWB)ワイヤレス技術は、超高速通信や高精度測位を実現しうるとともに、もし既存の狭帯域ワイヤレスシステムとの共存が可能ならば実質的に新たな周波数資源が開拓されたのと等価になるとして、近年注目を集めています。2002年に米国連邦通信委員会(FCC)が民間におけるUWBデバイスの免許なしでの運用を条件付きで認可して以来、ITU-Rや世界各国においてUWB技術の利用や規制緩和の議論が繰広げられています。また、IEEE 802.15委員会においては、UWB技術を物理層に用いたwireless personal area network(WPAN)の標準化作業が進められており、本講演では、UWB技術および標準化の動向について解説します。

所感:UWB技術および標準化の動向について把握できた。
出典:財団法人 日本ITU協会

参考情報:

1、UWBをめぐる動き 千葉大学大学院  阪田史郎

UWBは、1980年代後半より米国国防総省DoD(Department of Defense)の軍事研究の一環として、壁などの障害物を通過してその向こう側に存在する物体の認識を可能にするレーダ技術として研究されてきた。この中で、広帯域インパルス、特に変調キャリアを必要とせず、ベースバンド信号を直接電波として送出できる技術としてUWBという用語が使われ始めた。その後、1994年の米国による軍事機密扱いの制限撤廃、1998年の法制度変更に関する米国連邦通信委員会FCC(Federal Communications Commission)による諮問開始を経て、2002年2月にはFCCがUWB通信方式を正式に認可し民間での利用を許可したため、各国において無線デバイス、情報家電、PC業界を中心とした技術開発競争が急速に激化した。

 UWBは非常に広い帯域を用いることにより、以下のような特徴がある。

(1) マルチパスの遅延時間を1ns以下に分解でき、RAKE受信が可能となるため、マルチパスフェーディングの影響を抑えることができる
(2) 高いパス分解能力により、室内の高品質近距離無線通信が可能
(3) フェーディングの影響を低く抑えられるため、送信電力が小さくて済む
(4) 送信電力が小さくて済むため、電力スペクトル密度が非常に低くなり、ほかの狭帯域伝送に影響をほとんど及ぼさない
(5) 位置検出の精度が高く、誤差は数cm内

出典: http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/ieee03/01.html

2.UWB無線システム委員会 総務省
出典: http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040324_8.html