5GHz帯無線アクセスシステム委員会報告
第49回電波利用懇話会
日時:平成16年12月10日 午後2時〜4時、 場所:東海大学校友会館
講師:総務省 総合通信基盤局電波部基幹通信課 課長補佐 中西悦子 様
*11aの5.15〜5.25GHzに加えて5.25〜5.35MHz、5.47〜5.725GHzを新たに開放
日本国内で無線LAN用途として利用できる5GHz帯は、IEEE
802.11aで利用する5.15〜5.25GHzのみが開放されていたが、欧州では5.25〜5.35MHzを屋内用途に、5.47〜5.725GHzを屋内外用途に開放している。中西氏は「今回の世界無線通信会議(WRC-03)で決められた5GHz帯開放はほぼ欧州の仕様に沿ったもの」と説明した上で、「米国では5.47〜5.725GHzを軍事用に利用していたため、この帯域が国際的な開放の焦点となっていた」と語った。
*国内の11aは国際標準に合わせるためチャネルを変更
WRC-03を受けて、日本国内ではすでにIEEE
802.11aとして利用可能であった5.15〜5.25GHzに加えて、屋内のみの5.25〜5.35GHz、屋内外で利用可能な5.47〜5.725GHzが追加して開放される。ただし、追加開放される帯域はレーダーと共有するため、レーダーの発する電波を検出して同じ周波数帯を使わないための仕組み「DFS(Dynamic
Frequency
Selection)」が必要になる。中西氏は「DFSは親局の許可なしに電波を利用することができないため、この帯域では原則としてアドホックモードは利用できない」と補足した。
*現行の11a対応機器のチャネル移行は「メーカー側の管理が必要」
、「問題となっているのは新旧チャネルが混在した場合で、検討したところ全体の利用効率が下がることが明らかになっている」と説明。「できるだけ新チャネルへ移行して欲しいが、無線LANカードのような免許不要の機器は『使うのを止めてください』というのも難しい。そのため旧チャネルについては『壊れるまで使っていい』とするしかない」とした上で、「業界全体として新チャネルの魅力を高めていって欲しい」との要望を示した。
参考資料
第49回電波利用懇話会のテキスト
電波産業会、11aチャネル変更など5GHz帯の新規
5GHz帯無線アクセスシステム委員会答申骨子(案)概要
5GHz帯無線アクセスシステム委員会答申骨子(案)