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笹山 

7月24日 6:31発の電車に乗るべく、出発。
いきなりのミス。6:31発は実は平日ダイヤ。今日は土曜日で6:24が出たところ。オレンジカードを2枚入れて1620円
なりの切符を買う。切符は出てきたが、カードが詰まって出てこない。10分近く駅員が格闘。ようやく6:36発の電車に
乗る。着いた八王子、すでに甲府行きは到着済み。14kgの荷物を揺すりながら階段を上下し滑り込む。
結構込んでいて、大月まで立ちん坊。甲府の待ち時間も2分、最後尾の箱まで車内移動し、身延線に走り込む。こんど
は空いている。前方に重装備の3人連れがいる。きっと伝付峠方向。

ところが、この3人連れ、下部温泉で下車。ここから重装備で登る山あったっけ? やむなく、9:35身延での下り列車に
仲間がいないか期待したが、登山客は0。

そばを食って、タクシーに乗り込む。田代入口から行けるところまで入ってもらう。田代発電所の30分ほど手前で工事
のため下車。12000円なり。10:50出発。発電所からさらに林道を進み、11:13に分岐点。ここからはカンカン照りの
林道歩き。
   
「伝付峠」が「転付峠」の字になっている。
11:24 次の堰堤工事場前で重装備の3人連れに追いつく。下部温泉からの方が2000円安いとの話。

いきなりの回り道、さらには堰堤を乗り越すための臨時の階段60段を上下する。11:34 階段を振り返る。
   

そこからは沢沿いの道に付けられた橋を渡りつつ歩む。なんでも73ヶあるとのこと。


約30分後、ブツ!といやな音とともに左肩が軽くなる。ザックの肩紐が切れた。またか!高いタクシー代を払ってきた
手前、引き返す訳にも行かず。
   
しばらく左手で押さえていたが、腕がだるくなり、ザック下方の飾り紐にくくり付けて出発。このため左右のバランスが崩
れ、むりな体勢で動いたため、後々腰に響くことになる。

沢沿いとはいえ、日差しも強く、全身汗びっしょり。15kgたらずなのに肩が痛い。ときおり現れる滝がなぐさめ。
 
13:26〜44 東電管理小屋につくが、食欲もなく、おにぎりが喉を通らず。ひたすら水のお世話になる。

14:23 腐りかけた木橋に突然黄色い花、ホトトギスのよう。葉っぱの根元を茎が突き抜けているように見える。
あれ?キバナノツキヌケホトトギス?宮崎県尾鈴山の固有種ではなかったっけ?
  

後日WEBで調べると・・・・・残念ながら普通の「タマガワホトトギス」。

倒木の多い、わかりにくい道をひたすら進む。橋もあぶなっかしげ。
  
左右を小川に挟まれた細い道をさらに上流に進む。あるところまで進むと道が消える。14:50 対岸に小さなケルンが
あり、1.5mほどの小川を飛び越える。すぐに建物の残骸跡があり、道は上り坂。30分歩いてもずっと上り坂を登り、い
つのまにか出会いを通過しているのに気づく。水の補給を忘れた。急ではないがひたすら登る道が続き、3人連れにも
追い抜かれ、16:30 ようやく峠の水場に着く。冷たくてとてもうまい。

16:50 すぐそばにテン場があったが、張れる空き地は床が斜め。峠の適当な所に張るべく、水6Lを詰め込み、約12分
後、峠北方の見晴らし台にテントを張る。ここからは悪沢岳が正面に見えるが、日はその北方に沈む。
   

18:50 飛行機雲も・・・沈む、明日の準備して20:00就寝。
  

本日のコースタイム タクシ終点-伝付峠水場:4:50、実績:5:45



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2010/7/25

2:30起床、朝食後テント撤収し、3:17水と食糧と雨具のみで笹山を目指す。最初は快適な林道だったが、だんだんと
荒れた様子が分かってくる。といっても、懐中電灯の明かりの届く範囲では全容はつかめず。
途中のヘアピン道では道が消えたようになり、地図を確認し直すはめに。ともあれ標高差150mの上り坂が続く。最初の
内は林道の左右から栂の小木が侵略していたが、西別当台山からは、段々と道のど真ん中にも栂が。薄明の終わり頃に
東向きの開けた道にでたが、ほぼ全面に栂の森の程。
4:46−5:00 そこから峠越えして西側が開けたところで日出&朝食。 悪沢岳に朝日が射す。
   

約20分下り、奈良田越え手前の林道分岐につく。山の土手側に踏み跡があったりするが、地図の赤線どおり、さらに北上
する。2分ほどで飯場跡のような場所に着き、ここから180度道がUターン。右手側を振り向くと、ピンクのリボンがいくつか
ら下がっている。

5:25:奈良田越えのりっぱな標識が現れる。

白剥山は、ここからまた左手方向に180度道がUターンしているが、踏み跡や標識が判りづらい。写真右の赤矢印の先に
薄くなったリボンが見える。ここは高い方向に進むぐらいの感覚で登り始める。最初のうちは踏み跡もわかりにくいが、作業
小屋(泊まれそう)を過ぎる頃にははっきりしてくる。
6:05〜10 白剥山。 ここにも立派な標識あり。山頂北側には西側の見晴らしがある。

6:44 ひっくり返った標識を右手に見て、6:55 樹間に笹山が見えてくる。山頂直下に禿げたところが見える。ひたすら
リボンと、踏み跡を探しつつ先を急ぐ


7:05〜19苔むした広場で休憩。樹林帯の窪地を抜け、シャクナゲが目に付き始めて少し進むと、7:53 突然這い松
帯の見晴らしの良い所に出る。樹林の無い笹山北峰、樹林に覆われた笹山、笹山の右手に禿げた石河原が見える。
  

ここから道が判りにくくなる。なにより標識が小さく、色あせていたりして見つけにくい。稜線を少し進んだところにも小さな
標識(赤テープ、ペンキ、白リボン)が必要最小限にある。


ずっと稜線沿いかなと思っていたが、右手(東斜面)の樹林帯の中に入り込み結構登り出す。やがて稜線を越えると今
度は左手(西斜面)を巻きながら登り、また稜線を越えて東斜面の窪地の這い松帯に入る。

写真左:這い松帯への入口、 写真右:這い松帯からの出口


這い松帯は比較的歩きやすく、あっさりと通り抜け。ただし、出口が判りにくい。出口は足元のこけものの群落を踏みしめ、
ダケカンバに色あせた標識のある所。もっとも、ここから石河原場に出て、この中を約2〜3分登るので、どこで出ても問題
はなし。だが石河原の終点までの間、目印は皆無。一度引き返して現状確認するはめに。

写真左:上り詰めた地点から振り返って見た這い松帯出口(黄色矢印)、赤点線は歩コース。
写真右:上り詰めた石河原の終点:ダケカンバに色あせた標識、その下にケルン(赤色矢印)。

8:45〜50 山頂直前に「伝付峠へ」の看板があり、すぐ山頂に着く。5分休み。結構広めの山頂だが、北方以外は樹木
がじゃまする。いちおうセルフタイマーを使っての記念撮影もしたが・・・・・・。

まあ、ご愛敬と言うことで。

北峰方向はこちら。ちなみに良いテン場も2〜3張り分あり。
   

そこから約12分、9:05 眺めの良い北峰につく。ここにも「笹山北峰」と書かれた立派な標識。北側には白河内岳を前景
に広河内岳、農鳥岳、遠く北岳が一望のもと眺められる。
   
しばし堪能。

南側には、笹山〜登ってきた登山道、雲に隠れた笊が岳も。
      

   南西側には、徳右衛門岳がフラットな山頂をみせ、その奥には悪沢岳


南西側〜西側には、蝙蝠岳、塩見岳が。



写真撮影と昼食で過ごす。当然独り占め。
9:23 名残惜しいが本日の工程はまだ半ば。下山にかかる。

9:30 戻り着いた笹山山頂、奈良田方向への看板と伝付峠への看板が並んでいた。前者は奈良田湖へのダイレクト尾根
をたどるコース。WEBで調べた限りでは最近つけられた様。山頂付近だけだが踏み跡もしっかりの様。80年代の古い地
図には破線があった。
   

伝付峠へ看板の横を通り、下山を開始する。一度通った道なのでほぼ迷わず進む。

10:15−25這い松帯、シャクナゲ帯を抜け小休止、樹林帯に入り始める頃から腰が重い感じになる。
11:10−30登りの時に休んだ苔むした広場で仰向けになって腰を伸ばす。

白剥山まで15分ぐらいのところで、伝付峠で幕営していた人とすれ違う。なんでも朝6時に出発、あと1時間ぐらい登って
幕営予定とか

11:50−12:00 白剥山にて小休止&背伸び

12:34 いいかげんくたびれてきた頃、奈良田越え着
   
相変わらずだが標識が判りづらい。一度歩いた道なのでそこそこ判断できるが、遠くて小さくて。

180度右手側に進み、飯場跡を左手側に180度回り込んで進み、12:39 林道の分岐点につく。


写真左:ここには分岐点らしくカーブミラーがあるが、樹林に隠れ気味。
写真右:ここから下の川沿いの道まで林道が延びていたが今は廃道。道一面に栂の木と草が生えている。

気を取り直して朝来た林道を登り返す。日差しが強く、麦藁帽子だけでは暑いので傘を差して進む。30〜50分歩いて
は日影の風通しの良い場所で仰向けに10分〜15分ごろん。風が気持ちいい。

朝来るときには気がつかなかった林道の状態もよく判る。道なのか山なのか・・・・。


14:30過ぎ、西別当代山まで150mの登りを終え、今度は下り。
15:00 やがて朝は暗がりでよく判らなかった林道崩壊地点に着く。

写真左:2つのヘアピンカーブ部分を上から(A地点)下(B地点)に見る
写真右:2つのヘアピンカーブ部分を下から(B地点)上(A地点)に見る
矢印は歩行ルート。ここを通り越して再び仰向けになる。

もう1箇所、スリル満点の崩壊箇所もあり
   

道をふさぐように止めてあるショベルカーをくぐり、15:50 ようやく見晴らし台に帰着。

荷物を背負い、水場に向かう。16:10 やっぱりうまい。本日はここでテンぱる。1人で快適快適。


夕食後、夕焼けを撮りにウイスキーを持って見晴らし台に。18:30−19:00


寝酒のウイスキーと腰痛?でぐっすり。

本日のコースタイム 見晴らし台-奈良田越え-笹山:2:40+4:10=6:40、実績:2:05+3:40=5:45
本日のコースタイム 笹山-奈良田越え-見晴らし台:2:55+2:30=5:25、実績:3:15+3:15=6:30

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2010/7/26
ゆっくり目で起床、腰の違和感は変わらず。

5:40出発、ちょっと歩いた所に富士山のよく見える場所があった。
5:50 昨日今日で3回目の伝付峠着、まともに峠の写真を撮るのは最初か。


そこには新倉まで4時間30分の表示があるが腰痛悪化を避け、二軒小屋からバス利用でと下山を決める。700mほど
林道を歩き、6:00に二軒小屋の分岐に着く。

下りやすい道を休み休み下り、8:25到着。

バスの交渉をするが、宿泊客専用のバス故不可。宿泊料金分を払うとしてもNG。腰が痛くて歩けないのなら救急車を
呼ぶ事もできるとか、椹島に泊まるのならOK。椹島に泊まって朝一のバスに乗っても畑薙ダムからの静岡行きが1便し
かなく、昼過ぎのバスで十分間に合うし・・・・。「帰りを急ぐなら伝付峠を越えたら?」の意見で腹をくくり、握手して分か
れる。

9:00 二軒小屋出発。 単調な登り道をゆっくり歩く。途中で水を求めて降りてきた人に合う。偃松尾山の方から来たが、
伝付峠で水が得られなかったので諦めて下山途中とか。「水は在る」と説明し、同行することに。
11:19伝付峠通過。11:27水場着。道すがら聞けば、笹山に行く予定であったとのことで昨日の様子を伝授。今日はここ
に泊まり、笹山を越えた辺りでもう1泊する予定の様。やっぱりこの山はマニアックな方が多い。

12:00 腹ごしらえして、水を1Lほど土産用に詰めて下山開始。
13:05 結構長い坂道を下り、ようやく出会いに到着。
13:27 取水ダム通過、13:45東電管理小屋通過。15分休み
15:00 大滝通過、7分休み、
15:20−33 No17と16の橋の間に清水が湧いていて冷たい。水道工事して水を詰める。
16:00 工事中の堰堤 60段の階段を上り下りし、同じぐらいの高さの仮設登山道を上下し、暑い林道に出る。
16:10 林道分岐点通過、タクシを呼ぼうにもずっと圏外が続く。
16:15〜25風のある発電所入り口付近で涼む。腰よりも肩が擦れて痛い。仕事を終えた工事関係者の乗った車が次々と
走り去って行く。もうすぐで田代入口につく直前に、妙な石碑と案内がある。重い荷物を背負ったまま見物。
   
説明文には、写真左の中央から左が古い地層の黒色粘板岩、右の斜めになった板上の部分が新しい地層の凝灰岩類と
ある。
   
ここはdocomoは通じるがAUはダメ。工事の人に聞けば、ずっと下流でないとダメとか


17:40 田代入口着 、湧き水が出ているが、冷たいだけで味は今一。工事車両用の駐車場を抜け、この先土砂崩れの
ため車1台通らない小之島トンネル(553m)を抜け、新倉の集落にでる。通行止めの監視員としばし話し、バス停に向か
うが、残念ながら16時台が最終。
この集落もAUは圏外。タクシーを呼ぶべく、店を探してうろうろしていると、18:05バスが通過。人が降りるため10m先で
停止。身延まで行くか? 回送だけど良いよ との返事。

気さくな運ちゃんのおかげで無事帰途に。車中では身延までほぼしゃべりっぱなし。土砂崩れ、山客、釣り客、食べ物
昨今の広河原行きのバスは、イワナの釣り客が半数以上なのだが土砂崩れでバスが上がらず商売あがったりとか、
イワナの卵が黄金色していてうまいとか、早川の人はたんぱく質を得るため、昔は犬を、今でも良く蛇を食べるとか・・・・。

19:00 身延着。 車中、汗が冷えて少々寒い。いそいで体を拭いて、川沿いの暗がりで着替えする。駅内外にビール
の自販機が無く、駅員に聞くと、駅前の店にあるとのことだが、出発まで3分、急いで買いに行く。19:47身延駅発 

  21:06に甲府着の予定が、中央線が遅れているため時間調整で5分遅れ。夕食用の食い物が手に入れられず、駅前の
コンビニに向かう。途中の吉野屋でテイクアウトの320円なりの豚丼を(ほかの客より優先で出してくれた)入手。
駅の売店でビールを入手し、21:36帰途につく
中央線が遅れていた関係で八王子着が遅れ、階段残り10段で浜線電車がでてしまう。次の電車では最終バスに間に合
わないから、橋本に下車したが、相模線最終電車は出た後。次の浜線は、中央線が遅れていた関係で5−6分遅れると
の>アナウンス。もう歩く気力も失せ、駅前からタクシー(しかも順番の関係で8人乗りのワゴン)で帰ることになった。

風呂で汗を流すが、左右の肩にそれぞれ2列のスリ傷跡。石鹸が滲みる・・・・!


本日のコースタイム 伝付-二軒小屋-伝付:1:10+1:50=3:00、実績:2:25+2:20=4:45
本日のコースタイム 伝付-峠入口  -新倉:3:20+1:30=4:50、実績:4:20+1:55=6:05



   足代:JR:1620+900+630+2520=5670円
   バス:1390円
   タクシ:12000+1000=13000円
   食費:乾燥米など  :約4000円

伝付の水、ことのほか高評。甘みがあってうまい。



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