そ よ 風 の 小 径

第32回  黄色い新幹線(出会うと幸せになる?)  (2010年 9月 20日)

  とある休日の昼下がり、夫と乗っていた新幹線の車窓から一瞬、対向車線をバナナが素通りしていく姿を目撃した

 私は、びっくり仰天。少し考えた後で 「今、黄色い新幹線がすれ違っていったよ」 と夫に報告してみました。いくら何

 でもバナナがその辺りを飛んでいるわけはありませんもの。

  案の定、夫は何かの見間違いか、幻でも見たのだろう、と笑っています。無理もないのは、私がしょっちゅうこの手

 の間違いをするからで・・・・。(黄色い新幹なんて聞いたこと無いものね)と私自身も納得してその場は終わったので

 す。ところが、それから数日後に出掛けた名古屋駅のホームで再び同じ車両に遭遇したのです。

  黄色い新幹線が実在するのは、分かりましたが一体いつ頃から何のために走っているのだろう、と疑問を募らせて

 いたら、ちょうど良いタイミングで新聞にそのことが載りました。( 9月3日朝日新聞夕刊 )

  私がバナナと見間違えた新幹線は、線路や電線を

 点検する専用車で、お医者さんのような役割からドク

 ターイエローと呼ばれているとのこと。黄色く塗られて

 いるのは、乗客が誤って乗らないようにとの配慮なの

 だそうです。(もっとも、子供によってはどうしても黄色

 い車両に乗りたい!とだだをこねるのでは・・・)

  約10日に一回の割合で東京〜博多間を往復しては

 線路や電線にゆがみがないか点検し、安全運転に貢

 献しているのが黄色い新幹線の役割なのだそうです。

  そういえば、東海道・山陽新幹線は開業以来、衝突・脱線ゼロ、乗客の死傷者ゼロという素晴らしい業績があるわけで

 その陰には、黄色い新幹線の働きもあったのですね。
 
  ところで、この新幹線に出会うと幸せになるという噂が巷でささやかれているそうですよ。運行ダイヤが公表されず、めっ

 たにお目にかかれないことから、そんな風に言われるようになったらしいのですが、ごく短い期間に2回も出会ってしまった

 私、一体どんな幸せが巡ってくるでしょうか?果たして・・・・。

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