そ よ 風 の 小 径

第30回  ベランダにて  (2010年 7月 18日)

   間もなく梅雨明けが予想される日の早朝、洗濯物を干しながらこのベランダにはどれほどの種類の植物が生息して

  いるのか気になって、数えてみました。

   なんと25種類程のさまざまな花をつける草や木が確認できて、我ながらびっくり。半分以上は既に花をつけるばかり

  になったものを買い求めているのですが、それらの中にも既にベランダで何年かの年月を過ごしているものもいます。

   一握りの土と水があれば、こんなにも豊かな自然が与えられるものなのだなとひとしきり感激したことでした。

  先ほども触れたように、半分以上は花屋さんからの直行便ではあります。でも中には花友からいただいた苗が育って

  今まさにベランダを征服する勢いで成長している奴もいまして、管理人としては注意を怠れないところです。

  その筆頭が沖縄雀瓜 { オキナワスズメウリ } 熱帯に分布の中心があり、日本では沖縄県の各島のやや湿り気のある

 場所でよく見られるそうです。

  そんな植物が今どういう事情で我が家のベランダに生息しているかは、いずれまたどこかでお話しすることにして、とに

 かくこの実の可愛いことといったら!

  直径2センチ程に成長した丸い実は、秋になると赤色に熟します。そこに至るまでには緑色、ほのかなオレンジ色と変

 化していくわけですが、それらが同じ蔓にしがみつくように実っている姿を想像してみて下さい。少し大きめの飴玉風の実

 には、細筆で描いたような白い擦れ模様があるのも絵心を全開させてくれます。

  何年か前、この植物をリース型にしていただいたときは、これほど精緻なものが自然界に存在するものものなのか・・・

 と感激で言葉を失いました。でも考えてみれば、沖縄雀瓜の親戚筋に当たる烏瓜の花もまた、レースのように繊細な白花

 を夏の夜更けに開花させるわけで・・・。

  なにはともあれ初めて栽培する沖縄烏瓜が、これからどんな成長を遂げていくのかをスケッチブック片手に見守ること

 にしましょう。

  ちなみに先ほど我が家のベランダには、25種類の植物が生息中と伝えましたが、その中には一般的には雑草と呼ば

 れているカヤツリ草も含まれていることをご報告しておきます。

トップページへ戻る
そよ風の小径へ
新エッセイの部屋一覧へ