春まだ浅いこの季節に、個展を開催したことがあります。 そのとき、庭に咲いたという花をどっさり会場に届けてくれた人がいました。その中にポピーに似たオレンジ色の花、 太陽の温もりを受けて育ったような元気な花が混じっていました。カリフォルニア・ポピーとの初めての出会いでした。 別名をハナビシソウとも言い、北米のカリフォルニア地方を原産地とする芥子科の多年草です。何時も描いている アイスランド・ポピーとひと味違ったこの花を描いてみたいと思いました。 夕方、画廊を出て買い物をして帰宅し、夕食の準備をしてそれから夕ご飯。その後お風呂の準備と主婦の時間は、 瞬く間に過ぎてゆきます。
さあ、一段落しましたよ、とカリフォルニア・ポピーに視線 を向ければ、何とあんなに元気に咲いていたオレンジの花 は、しっかりと花びらを閉じてお休みモードではありませんか この花の習性を知った最初でもありました。 朝になるとまた花びらを全開して絵心を誘うのですが、こ ちらは洗濯その他に加えて、個展会場に出向くという生活 が一週間ほど続きました。 結局、魅力的なモデルを身近に感じながら、スケッチす るのが精一杯でした。
でも、気をつけていると、この頃花屋さんの店先でもこの花を見かけるようになりました。今年の春もどこかで元気色 のカリフォルニア・ポピーに出会えることを楽しみにしています。 2005年 3月