美景






☆1日目
    だったら、そのまま続けてくれ…。

☆2日目

    「ああ、やっぱり水着があるのはうらやましいね」
    ふたりの姿を見比べながら、改めてそう言った。

    「ちなつちゃんも、日焼け止めを塗っておいた方が、
    いいんじゃないかな」

☆3日目
    「そう言えば、『花には、育てた人の人柄が現れる』
    って聞いたことがあるな」
    僕はそんな話を切り出すて、言い繕った。

    「今日は特別に暑くなりそうだし、部屋でゴロゴロする予定でいるんだ」

    僕はさりげなく、彼女に言ってみた。
    「奈緒ちゃんと同じペアになれてよかったよ」

    ここで僕には、ひとつの作戦があった。
    伊藤君の方を狙って、サーブを打ち上げる。

    二度あることは、三度あるとも言う。
    僕はポジションから動かず、サーブを待ち受けた。

    しかしまあ、所詮は子供のすることだ。
    そう思い、今回はお咎めなしで見逃すことにした。

    どうやら少しお説教が必要のようだ。
    でも僕はあえて、話に乗るフリをすることにした。

    「しょうがないなあ…わかったよ」
    とうとうその頑固さに折れて、僕はそう言った。

☆4日目
    …さて今日は、海の家でも見に行くとするかな。
    時間はまだあるからと、僕は松原の方へ向かった。

    最初から、先が見えているゲームなど面白くない。
    そこであえて、ババを引いてあげることにした。

    今からサッと入れば、間に合うな…。
    僕は洗面器を小脇に抱えて、部屋を後にした。