陶芸館



登録有形文化財 (平成9年11月登録)
現所在地・富山市安養坊50
旧所在地・富山市大塚
当館は、明治27年に富山市大塚に建てられた豪農の住宅の一部を移築し、昭和56年より全国各地の焼き物(庶民の暮らしを支えてきた陶磁器、甕、壺、鉢、皿、徳利など約550点)を紹介する施設として活用されている。建物は「アズマダチ」と称される富山県平野部の切妻造住宅の典型である。外観は、正面の妻面の白壁と格子状の木組とのコントラストが美しく、内部は、柱と幅広の差鴨居、三層の梁組による堅固な「枠内造」、よく吟味された良質な部材など多くの見所があります。
木造平屋建切妻造瓦葺 建築面積329.04㎡ 間口12間、奥行8間
【富山市民芸村発行パンフレットより】

広間と茶の間の柱と柱を連結する差鴨居は1尺8寸(幅54cm)にも及び、更に束を立てて三重に梁を組む。「ワクノウチヅクリ」と称される構造で、富山の湿気を含んだ重たい雪にも耐えられるように堅固な造となっている。
旧所在地である富山市大塚の屋敷地は4500坪、建坪で約300坪の広壮なものであったと云われており、其の後に富山市千里、富山市古沢と繰り返し移築され、昭和55年に現在地に辿り着いた。
内部においては、茶の間の吹抜けの梁組は白眉で、太い松材の梁が三層の井桁に組まれ、拭漆で仕上げられている。また白漆喰の上塗り壁に欅材の化粧貫が水平に通り、引き締まった印象を与えている。
座敷は繊細な書院造で、床の間の間口は2間半(4.5m)もあり、県内でも有数の広さで、天井板には一枚物の立山杉杢目板が使用されており、座敷の天井板には屋久杉が使用されている。



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