前田家住宅 Maeda

岐阜県指定重要文化財　(昭和50年7月17日指定) 旧所在地・岐阜県高山市上宝町神坂 建築年代/明治32年(1899) 建築規模/桁行19.5m 梁間11.8m　榑葺　切妻造 奥飛騨北アルプス山麓の高山市飛騨温泉郷神坂にあった前田家は明治時代に建てられた町家風の民家です。軒も高く、飾りの付いた腕木など、意匠も形態も一般の農家とはひと味違う風格をもつ住宅です。昔、村で一、二を争う豪農だった前田家ならではの建物です。 屋内の材木は全てヒノキ材が用いられ、「オエ」と呼ばれる囲炉裏のある居間も板床ではなく畳敷きです。通称「六つデイ」と呼ばれている座敷は、八畳間が3室、六畳間が3室あり、これらをすべて解放すれば、畳42枚敷きの大広間として使用することが可能となっています。こうした広い空間は、結婚式、葬式などやお祭りの時に使用されました。　(飛騨民俗村発行「飛騨の里物語」より一部改訂)