小倉家住宅
Ogura


国指定重要文化財 (昭和38年7月1日指定)
旧所在地・石川県石川郡白峰村字桑島象ヶ崎
建築年代/江戸時代(19世紀前半)
用途区分/農家(庄屋)
移築年月/昭和52年
当家は「あぜち」と称され、嶋村の庄屋を務めた「あぜち五郎右衛門」の子孫と考えられる旧家で、現在の移転地から北へ2kmほどの桑島に所在していた。残念ながら当集落は昭和52年の手取川ダム建設に伴い湖底に沈んでしまった。19世紀前半の建築と推定されており、栗材を用いた小羽板葺に石置した切妻屋根と妻入りの建前は白山麓に典型的なものである。建物正面には1間半ほどの庇が附属するが、これは積雪により大戸口が塞がれることのないように工夫されたものである。また土蔵造の本屋に対し側壁の下側部分を下見板張としており、恐らく融雪による被害から逃れるための配慮であろう。共に日本でも有数の豪雪地帯ならではの造作だと云える。内部については土間が極端に狭く山間部ならではの特徴を持つ。更に馬屋や唐臼場のみならず、便所までもが屋内に取り込まれている様子は冬の季節には屋内に閉じ込められる生活を余儀なくされる当地方ならではのものである。
 


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