旧板井家住宅
Itai



 
臼杵市指定文化財
大分県臼杵市市浜980
建築年代/安政4年(1857)
用途区分/商家別邸
公開状況/公開 (吉丸一昌記念館・早春賦の館)
春は名のみの風の寒さや
谷の鶯 歌は思へど
時にあらずと声も立てず
時にあらずと声も立てず
「早春賦」の一節である。
平成6年4月に「早春賦の館」として吉丸一昌の生誕120年を記念して、彼を顕彰する施設として開かれた。
吉丸一昌は明治6年、北海部郡海添村(現・臼杵市海添)の下級武士の家に生れた作曲家で、早春賦は彼の代表曲である。臼杵尋常小学校、大分県立大分中学を経て第五高等学校(現・熊本大学)、東京帝国大学(現・東京大学)国文科に進む。卒業後は東京府立第三中学校(現・両国高校)で教鞭を取り、明治42年(1909)に東京音楽学校(現・東京芸大)の教授に招かれている。このとき文部省から「尋常小学校唱歌」の編纂委員となり、作詞の主任を務めた。この頃より「早春賦」、「木の葉」、「故郷を離るる歌」などの名曲を作詞、明治45年より童謡の先駆となる「新作唱歌」全10集を発表している。大正5年(1916)3月、43歳の若さで他界。
当板井家住宅は最初の妻・ユキ夫人の実家であった。


 

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