山下家住宅
Yamashita



 
長崎県指定文化財 (昭和50年1月7日指定)【モト蔵のみ】
長崎県指定史跡 (平成10年2月18日指定) 【江迎本陣跡】
長崎県佐世保市江迎町長坂字長浜208
建築年代/天保元年(1830)
用途区分/酒造業・本陣
指定範囲/
公開状況/外観自由・内部は要予約
県北の佐世保と平戸の中間位置に所在する旧本陣建築である。当家は酒造業を営む傍ら、本陣としての役割も担った旧家である。御成門や書院等の本陣としての一連の建物を残しているものの、県の文化財に指定されているのは、モト蔵と呼ばれる酒造施設のみである。屋敷内にある建造物の中で、モト蔵は元禄年間に建築されたもので、他の建物よりも年代が溯るものである。また、この手の建物としては非常に古く価値があるということなのであろう。モト蔵は酒の原料となるモトを造るための温度や湿度管理がし易い構造となったものである。一方、本陣としての機能は、平戸藩主・松浦家の長崎港警備時の往復に御旅屋と称される宿泊施設として利用されたもので、天保年間に改築された8畳2間の書院造りである。座敷に面する庭園は京都から庭師を呼び寄せて築いたものである。

当住宅は潜龍酒造の名称で酒造業を営んだ山下家の住宅である。元禄元年(1688)に平戸藩七浦奉行の山下庄左衛門が藩命により酒造業を開始したことに始まるらしい。潜龍の名称は、地元・旧江迎町に所在する平戸八景の一つ、「潜龍水」に拠るもので、「潜龍水」は平戸藩第10代藩主・松浦煕公により命名された江迎川上流に所在する落差20m程の潜龍ノ滝。その名の通り深さ6mもある滝壺は龍が潜んでいそうな幻想的な風情に包まれている。



 

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