鵜殿家住宅
Udono



 
登録有形文化財 (平成20年10月23日登録)
長崎県島原市上の町868-1
建築年代/天保13年(1842)
用途区分/商家(当初の所有者・中村家は薬種問屋)
登録範囲/旧主屋・主屋
公開状況/店舗として営業中【幻燈舎】

島原城址の東方、森岳商店街に所在する商家建築である。当住宅の辺りから西方の坂上を見上げると、驚く程の近さに島原城の天守閣を臨むことができる。城の中枢建物と町場がこれほど接近している例は、かなり珍しいのではないかと思うが、島原藩の石高規模を考えたとき、過ぎたる城郭の存在が異例なのであって、町の規模としては妥当なところであったのかもしれない。いずれにせよ為政者と商人間の距離は自ずと近く成らざるを得ず、当住宅の建築主であった中村家は薬種問屋や木蝋商により財を成し、幕末には藩に産業振興策を提言するほどの存在であったらしい。住宅は島原街道に西面し、北側に現存する町家としては島原最古の旧主屋を、南側に大正期建築の主屋を並べて配置する。少し以前には主屋の背後に土蔵も残され文化財登録されていたが、解体により令和元年9月30日に登録抹消されている。




 

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