鍋島家住宅



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国指定重要文化財 (平成19年6月18日)
長崎県雲仙市国見町神代丙103-1
建築年代/昭和5年(1930)
用途区分/旧邑主
指定範囲/主屋・御座敷・隠居棟・土蔵・長屋門・石垣
公開状況/公開
佐賀藩主鍋島家の分家・神代鍋島家の邸宅である。佐賀藩はその成立過程から領土支配体制に中世的なモノを温存し、通常家臣に対する給与を蔵米知行とするところを知方知行としたため、領内各所に在地の邑主と呼ばれる「お殿様」が存在することとなった。神代鍋島家もそうした邑主の一人で石高は5512石であった。神代の町は中世城郭である鶴亀城の南に拡がる一帯に今も風情を残しながら、ひっそりと在るが、当家は武家地の中心を貫く道路から少し脇に入った高台に目立たぬように残されている。まったく素晴らしい民家である。このような民家が九州にもまだ残っているのかと思うと本当に嬉しくなる。表通りと直交するように石塀で両脇を固められた屋敷への進入路の奥には、長大な長屋門が構えられ、陣屋としての雰囲気に溢れている。ある意味で民家の域を超えた建築ではあるが、九州でもっとも素晴らしい民家の一つではないかと私は思っている。


 

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