本田家住宅



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国指定重要文化財 (昭和44年6月20日指定)
長崎県長崎市中里町1478
建築年代/江戸時代中期
用途区分/農家
指定範囲/主屋
公開状況/公開
意外と長崎には古い民家が残されていない。市街地にあっては、あの原爆投下という痛ましい歴史があるため止むを得ないとは思うが、郊外においても殆ど無い。藩政期において唯一の外国との貿易港という土地柄のため、新しいもの好きな気質なのかもしれない。当家は長崎の中心部から東に10km程離れた離れた郊外の谷間に所在する農家建築で、旧長崎街道(現・国道34号線)の南側の山裾に隠れる様に建っている。南側に山が迫っているため、日当たりの加減からか少し寂れた雰囲気がある。けれどもなかなか良い雰囲気の家で、小さいながらも見所の多い家なので要チェックである。この家の最大の不思議は庇にある。写真の通り屋根も茅葺、庇も茅葺である。屋根のみならず庇も茅葺とする例は佐賀県では確認されているが、県下では唯一の例である。

通常、庇というものは、瓦葺きや板葺きとして屋根の傾斜角を変えることによって家の中への採光性を高める役割を果たすものであるが、同じ茅葺であれば、角度を変えることも能ず、庇としての意味があまり無い。一層のこと上から下まで一度に茅を葺き降ろした方が簡単ではないかと思うのだが。ともかくなかなか結構な民家なので、長崎観光の折には少し足を延ばすといい。
 



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