吉原家住宅 Yoshihara |
登録有形文化財 (令和3年2月4日登録) 福岡県大川市小保107-2 建築年代/江戸後期 用途区分/酒造業 登録範囲/主屋及び角座敷・煉瓦塀 公開状況/非公開 【吉原義朗家住宅】 【登録時報道発表】 大川市小保の旧街道沿いに建つ。主屋は江戸後期に遡り、2階建て、切妻造り桟瓦葺妻入りで四周に庇を付し、南側に角座敷を建てる。大壁造り白漆喰の重厚な外観を持ち、煉瓦塀と併せて通りの景観を作る。 主屋(江戸後期) 角座敷(天保9年(1838)/昭和中期以前、昭和63年、平成6年改修) 煉瓦塀(昭和前期) 当家は小保の大庄屋職を務めた吉原本家(国重要文化財に指定)の分家にあたり、造酒業を営んでいたため、当時の人達からは「酒場」と呼ばれて親しまれていました。当住宅は主屋の屋根勾配が急で、棟高は約9mあり、小保、榎津の町家の中でも大型の町家建築です。別棟の離れ座敷は、棟門と式台玄関を構えた屋舗造となっています。式台玄関の蟇股にある墨書銘から離れ座敷の建築年代は天保9年(1838)と判明しており、18世紀末~19世紀に主屋が建てられた後に離れ座敷が建てられたと推定されます。 主屋は瓦葺妻入の直屋で、四方に小屋根が架けられています。主屋屋根裏の小屋組は丸太を組み合わせた構造となっており、江戸時代の建築技術の素晴らしさが窺えます。座敷には付書院が備えられ、狆潜りや違棚、天袋が設けられています。また床の間の柱にある空間は、刀による抜き打ちに備えた身隠しの空間であったと云われています。現在の住宅は、平成6年に町並保存の見地からほぼ旧状どおりに修復されたものです。【現地案内看板より】 江戸幕府の巡見使が訪れた際には脇本陣として使用され、式台玄関や書院座敷など格式ある接客空間を備えた大型町家建築。 |