伊佐家住宅
Isa



 
無指定・公開
福岡県八女市黒木町木屋10905(グリーンピア八女内・移築)
旧所在地・福岡県福岡市西区高取
建築年代/江戸中期(文化年間)
用途区分/商家
残存建物/主屋・座敷棟
公開状況/公開

何故にこのような辺鄙な場所に造られたのかは謎であるが、国指定天然記念物である大藤の存在で著名な黒木町の中心市街から南に姫御前山を目指して山奥に随分と進んだ途中に造られたグリーンピア八女内に移築保存されている商家建築である。そもそもは福岡市西区高取に所在していたが、繁華な町中での維持が困難となったため、山奥深い当地に移築され、軽食や地元の物産品を販売する土産物屋として活用されている。(現在は廃業し、建物は廃屋のような状態となっている) グリーンピア八女はあの悪評高い厚生年金基金の保養施設で、国民の大事な年金を我が物顔で無駄遣いしてきた厚生官僚の悪しき見本のように語られている。(当時、自民党が民主党に政権を譲り渡すきっかけにもなった程に政治問題化した)確かに公園内の温泉施設を除いて客は居ない。来るはずも無い場所である。安住の地を得たかと思われた当住宅も、今後の成り行き次第ではひょっとするとどうなるか判らない。とても心配している。建物は江戸時代の中頃の文化年間の建築で、主屋と座敷棟からなる。御成門も設けられた座敷の構成から、かなり上級の商家であったに違いない。移築後の活用方法が物販施設であったため、文化財的に保存するという意識は希薄であったように思われる勝ちであるが、なかなかきちんと復元されている。あまり変にいじられていないようで、この辺りは商業主義に走らず、往時の建物を活用して懐古主義的な風情を醸したいというコンセプトを重視した様子で、こうした点は国の事業らしく、実に有難い。




 

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