寒北斗酒造
Kanhokuto



登録有形文化財 (平成27年8月4日登録)
福岡県嘉麻市大隈町1036-1
建築年代/江戸末期
用途区分/商家(酒醸造業)
登録範囲/店舗兼主屋・安政の蔵・仕込蔵
公開状況/酒造場として営業中
飯塚市の南東の方角に3里程の位置にある大隈町に所在する酒造屋敷である。大隈町は久留米から秋月を通って大隈、香春、小倉へと続く脇往還道の宿場町で、飯塚から日田へと至る街道の結節点でもあるため、交通の要衝として大いに賑わったことは今に残る風情からも想像がつくところである。当住宅は享保14年(1729)に矢野甚五平が創業した老舗酒造場。創業当初は松尾屋と称し、その後、大隈酒造と改められたが、年配の方には、更にその後改名された玉ノ井酒造の名称の方が馴染みがあるかもしれない。平成23年(2011)には現社名である寒北斗酒造に変更されている。筑豊地方と筑後地方を隔てる馬見山を源とする馬見川の伏流水を水源として醸される吟醸酒は、近年急速に評価を高め、鑑評会金賞受賞蔵として福岡県を代表する蔵元になりつつある。

【参考文献】
福岡県の民家とその周辺 太田静六著 九州大学工学部建築教室発行

【文化庁報道発表】
秋月街道沿いの造酒屋。店舗兼主屋は入母屋造妻入の外部を鼠漆喰で塗り籠めた重厚な外観を持つ。安政の蔵は年代の明らかな幕末の酒蔵であり、一方、仕込蔵はキングポストトラスを採用して無柱の大空間を実現し、近代的発展を示す。
店舗兼主屋/江戸末期
安政の蔵/安政4年(1857)・明治前期改修
仕込蔵/昭和9年


 

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