岩田家住宅
Iwata



 
北九州市指定文化財 (平成18年7月20日指定)
福岡県北九州市門司区東本町2-6-24
建築年代/大正11年(1922)
用途区分/酒類販売業
指定範囲/主屋・土蔵2棟・表門・煉瓦塀・板塀
公開状況/非公開
門司市街地を抜けて国道2号線が関門トンネルの入口に差し掛かろうとする少し手前の交差点の角地に所在する近代和風商家建築である。交通量の増加とともに周囲の開発が進んでビル建築が建ち並ぶ中にあって、重厚な伝統建築の面影を保つ当住宅は十分過ぎる程に異彩を放つ存在である。大正期の建築らしく二階部分の立ちが高く、入母屋屋根の妻を重ねながらも、桟瓦葺で軒を浅く保ち、大屋根を軽快な印象に抑える。また隣接地との境界に建物を囲むように煉瓦造の防火壁を立てる点なども近代の建築らしい要素である。内部においても店舗部分に煉瓦の壁体が露出したり、大黒柱の基礎部分を洋風意匠とするなど同様の建前が垣間見れる。そもそも当家は門司港近くに明治32年(1899)から岩田酒店の名称で酒類の販売業を営んだことに始まり、大正11年(1922)になって店舗兼住宅として当住宅を新築して現在地に移住してきたとのことである。ところが主要顧客であった門司港の旧国鉄九州鉄道局が、JR九州となって本社機能が福岡市に移ったため、当店も平成3年(1991)に本店機能を移転、以降、当住宅は門司店として平成12年(2000)まで営業を続けたとのことである。




 

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