江頭家住宅
Egashira



 
登録有形文化財 (平成30年3月27日登録)
福岡県大川市榎津746-2
建築年代/江戸末期(1830-1868)
用途区分/商家(醤油醸造)
登録範囲/主屋・門及び塀
公開状況/非公開
藩境の町として知られる大川市の小保・榎津集落内に所在する商家建築である。当地は江戸時代初期の柳河藩主・田中家の改易により集落が二分され、北半の榎津が久留米藩領、南半の小保が柳河藩領となった経緯がある特殊な土地柄で、当住宅は久留米藩領となる榎津集落の北側に所在する。現在は埋め立てられて住宅地となっているため判りづらいが、嘗て屋敷前には水路が掘られており、筑後川の支流となる花宗川に接続する形で河湊を形成していた。住宅の周辺を歩くと家具の町として著名な大川市だけに家具製造業者の看板が目に付くが、当住宅も明治45年に江頭家が取得して以降は多分に漏れず家具製造業が営まれていたが、大川の家具産業が本格化するのは明治中期以降と存外に歴史は浅く、以前においては岡家の所有で醤油醸造業が営まれていたとのことである。主屋は入母屋造の主屋棟に切妻造の角屋が付属する鍵屋造で、白漆喰で塗り籠めた居蔵造と称される建前となる。現在においては周囲は職人街の様な裏町の風情を感じる町並となっているが、当住宅の前に立ち、瞼の裏に嘗ての掘割があった様子を思い浮かべると、商人町であった今とは異なる様子が想像される。

 

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