味元家住宅
Ajimoto



 
登録有形文化財 (平成12年4月28日登録)
高知県南国市岡豊町八幡1099-1
旧所在地・高知県高岡郡津野町北川
建築年代/天保3年(1832)
用途区分/山村農家
登録範囲/主屋
公開状況/公開
現在、高知県立歴史民俗資料館の屋外展示施設として移築・活用されている当家は、そもそもは四万十川の最上流部に位置する高岡郡東津野村の山間部に所在していた。現在は主屋のみが移築されているが、移築前の屋敷内には隠居棟や納屋が軒を接するかのように建てられていた。大戸口から屋内に一歩足を踏み入れると、ただでさえ広くない土間に大きな蒸桶が置かれているのが目に飛び込んでくる。これは和紙の原料となる楮・三椏といった植物の皮を蒸すことで剥ぎ取りやすくするためのもので、土佐の代表的な産品である土佐和紙の材料供給を担っていた山間農家の姿を今に伝えてくれるものである。土佐の国は南国といえども、山間部では冬に雪が積もることもあるほどに冷え込みは厳しい。蒸桶がクドに架けられ、楮・三椏が蒸されている間は家中の暖も取れるため、まさに一石二鳥であったことであろう。




 

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