越智家住宅
Ochi



登録有形文化財 (平成14年2月14日登録)
愛媛県東予市壬生川32-1
建築年代/江戸時代
用途区分/商家
登録範囲/店舗及び居宅・茶室・数寄屋
公開状況/非公開

今治と小松を結ぶ国道196号線は壬生川の町を南北に縦断するように走っている。この道を通るたびに道路際に建つ当家が、いつかは開発の波に曝されて無くなるのではないかと心配していたが、文化財に登録され、とりあえずは命脈を保ったようである。ただ往時を知る者にとっては、道路拡幅のために広大な屋敷地は東側の一部が削り取られ、南北に連なるように並んでいた土蔵群も取り壊されてしまった現在の姿に痛々しさと嘆かわしさを感じる。拡幅工事を免れた西側には主要な建物が残されており、鰻の寝床と形容される南北に細長い敷地に北から表屋・主屋・茶室・座敷等の建物が建ち並ぶ典型的な表屋造りの屋敷構成となっている。表通りからは簡素な表屋に取るに足らない町家のように思われるが、奥に連なる建物群は大正期の建築で時代的には降るものとはいえ、豪商としての面目を保つ非常に凝ったものである。