細川家住宅



 
瀬戸内海に面する宇摩地域の東西に法皇山脈が壁のように拡がっている。この山脈によって当地域は嶺北、嶺南地域に分けられるが、当住宅は嶺南地域にある。明治15年(1882)の建築。
昭和62年から始まった富郷ダムの建設に伴い水没地区となった寺野から平成2年5月に現在地の「てらの湖畔広場」内に移築。
ダムの建設に伴い約81戸の住民が移転を余儀なくされたとのこと。
移築前は当初の建物から増改築がなされていたため9室の約48坪の規模であったが、移築時に当初の間取りに戻し、8室36坪の規模となっている。
土間は小さく山村農家の特徴を示しているが、農家兼旅籠であったため一般農家とは異なる間取りとなっているらしい。
座敷床の間の落と掛けに枝部を残した材が用いられており、これが波打つ様な風情を醸し面白い。
平成2年7月1日に旧伊予三島市により貴重資料建造物に指定された。



 

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