漆原家住宅



高松市南郊の三谷町通谷に所在する郷士の居宅である。敷地面積は約3000坪もあるらしい。
屋敷の周囲に濠を廻らせ、端正に成形された切込バキの石垣を築く。南側に本瓦葺、入母屋造の長屋門と蔵を並立させる姿は讃岐平野の豪家に見られる屋敷構えの典型である。腰壁を海鼠壁とする姿は実に美しい。
民家好きなら必携の相模書房刊「民家巡礼」にも所収されている民家で、掲載された写真には主屋も垣間見られるが、現在は屋敷内の樹木が鬱蒼として残存は不明である。同じく同書に所収されている香川県で最高の民家と云われた古高松の揚家が失われた現在、当住宅は是非とも残してもらいたい民家である。 

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